メソポタミアの地に、文明らしきものが現れたのは、紀元前3500年ぐらい?
シュメール人が、ウルクに都市国家を作ったのはいつ頃なんだろう?
ギルガメシュは、紀元前2500ぐらいに実在したウルクの王?
月本昭男 訳 「ギルガメシュ叙事詩」 岩波書店
ウルク王・ギルガメシュの物語。
メソポタミアの諸遺跡で、楔形粘土板文書として発見されたらしい。言い伝えとして残されていたものを、誰かが粘土板に書きつけたのだろう。
ギルガメシュの三分の二は神で、三分の一は人間。優れたウルクの王だが暴君でもあった。女神は、ギルガメシュの横暴さを抑えるために、荒野に英雄エンキドウを作った。エンキドウは四足で野を走り、動物たちを助けた。娼婦(聖婦?)シャムハトがエンキドウの元に行き、契った。エンキドウは人間らしい知識を得、ウルクにやってきて、ギルガメシュの友となる。
ギルガメシュとエンキドウは、「香柏の森」に遠征し、森の守り手である怪物フンババを倒す。
シュメール人は、森を伐採しそれを材料にして都市を作ったのだろうか? 最初は、レバノンまで遠征してレバノン杉の森を破壊したのかと思ったが、そうではなさそう? ウルクの東側にも山が有り、森があった。宮崎駿の「もののけ姫」のシシ神は、フンババをモデルにしてるって、本当???
フンババを倒して帰ったギルガメシュは、女神イシュタルに想いをよせられる。しかし、ギルガメシュは、イシュタルの不実な事をなじり、怒らしてしまう。イシュタルは「天牛」を送って、ギルガメシュを懲らしめようとするが、ギルガメシュとエンキドウは、この天牛を殺してしまう。
実は、フンババを倒した時に、エンキドウは、ギルガメシュより早く死ぬことが決められていた。
エンキドウは、死んでしまう。
最愛の友の死を嘆き悲しむギルガメシュは、自らの死に恐怖を抱き、永遠の生命を求め、旅に出る。長い辛い旅の末、生命の秘密を知るウトナピシュティムに会う。そして、ウトナピシュティムが語る物語。
神々が、人間を滅ぼそうとした時、エアという神様がウトナピシュティムに、「方舟を作り生命のあるあらゆる種を載せよ」と命じた。神々は暴風雨を起こし、堤を切ってあらゆるものを粘土としたが、方舟は助かった。これを知った神は怒るが、エアの説得で、ウトナピシュティムは、不死の生命を与えられた。
旧約聖書の「ノアの方舟」の原型ですかね?
ギルガメシュは『老いたる人が若返る』草を貰って、ウルクに帰ろうとする。しかし、草は蛇に盗られてしまう・・。
ギルガメシュは、ウルクへ帰る。なんだかその姿は、清々しく感じられたのだが・・・
◇◇◇◇
「ギルガメシュ叙事詩」古バビロニア版 より
「ギルガメシュよ、お前はどこにさまよい行くのか。
お前が探し求める生命を、お前は見出せないであろう。
神々が人間を造ったとき、
彼らは人間に死をあてがい、
生命は彼ら自身の手におさめてしまったのだ。
ギルガメシュよ、自分の腹を満たすがよい。
昼夜、あなた自身を喜ばせよ。
日毎、喜びの宴を繰り広げよ。
昼夜、踊って楽しむがよい。
あなたの衣を清く保つがよい。
あなたの髪を洗い、水を浴びよ。
あなたの手にすがる子供に眼をかけよ。
あなたの膝で妻が歓ぶようにするがよい。
これが人間のなすべき業なのだ。
◇◇◇◇
何千年も昔に、すでにこのようなものが描かれていた。
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