・・・なんだ、これは。
読み終わって、変な感動を受ける!
池波正太郎の忍びものの小説、四作目?
時代は、豊臣秀吉の小田原攻め。そしてその後、大阪夏に陣が終わって平和な時代になるまで。
鉢形城主・北条氏邦に仕える山岸十兵衛の家来となった上田源五郎は、
甲賀・山中俊房配下の忍びの者で、豊臣のために鉢形城を探っている。
実は源五郎の父親は、三方ケ原の戦いで、山岸十兵衛に殺されている。
それを知らずに源五郎は、十兵衛の娘・正子と良い仲になり、はらましてしまう。
結局、源五郎は小田原攻めの時に甲賀を裏切り、山岸十兵衛親子を助けることとなる。
ウッ、またもや! 池波正太郎の忍びものの小説は、裏切りが多い!
組織に統制されず、自分の考え・人生観で生きていく忍者。それが池波忍者なのだろう。
この本を読んで感じた感動は何だろう。
山岸十兵衛も、武田の家臣であったが、武田滅亡となり北条、そして徳川の家臣となる。
戦乱の世の自分の人生は、自分の才覚で自分らしく生きていくしかないのだろう。
源五郎も、自分の父親を戦の中で殺した人の娘を妻として、組織を裏切り自分の人生観で生きていく。
戦乱の中でも、自分らしく生きる為に戦う事に、生き甲斐があるのだろう。
そして、老いて、世の中が平和になり、生きる意味を感じなくなり、なにか虚脱し・・・・
なるほど・・・・
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