井上 靖 著 「孔子」 新潮文庫
物語は、今から2500年ほど昔の中国・春秋時代。国は乱れ戦乱に明け暮れる時代。
この小説は、孔子の従者だった人が、孔子の残した詞を語るかたちで描かれている。
私は、戦後生まれの団塊の世代だから? 儒教も知らないし、論語も知らないし・・・
儒教というと、なんだか現代の自由平等を阻害する考えのような先入観ををもってしまう。
この小説は、孔子をとおしての、作家・井上靖氏の人生観なんだろう。
孔子は「五十にして天命を知る」
私は六十だよな。人生に諦めがついたとか(笑)
ふたり人がいて「仁」なのだそうだ。
相手を思いやる気持ちが「仁」
人が口から出して言う言葉は、信じるもの、信じられるものでなければならない。
故に、人偏に"言"と描いて、"信"という。
読んでいくと、なるほどと共感してくる。
故郷に、灯ともる頃が、一番やすらぎを感じる時間?
戦乱の世で、孔子は争いのない世の中を目指したのだろうか。
この小説の、私のお気に入り度:★★★★★
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