愛月ひかるさん初主演のバウ「SANCTUARY」を観劇。
愛月ひかるさんは落ち着きと情熱を合わせ持ち堂々とした初主演振り。
相手役の伶美うららさんはこれまた素晴らしいヒロイン振り。
美貌の中に哀しさを秘めた王女が素晴らしく堂々として、気品もありとても良かった。
物語は16世紀のフランスを舞台にした宮廷もの。
キリスト教のプロテスタントとカトリックの泥々の宗教戦争。
陰謀渦巻くフランス国内を政略結婚の果てに、治めるアンリの姿を描くもの。
日本人には宗教が発端で血で血を洗う宗教戦争はとても理解し難いものだった。
しかし、深い憎しみの応酬が止まらなくなる…という宗教戦争の根底は何となく分かる気もした。
宗教戦争云々は置いておくとして、物語は人間の深い悲しみと憎しみを描くもので、出演者の皆さんの渾身の演技に感動。
愛月ひかるさんはプロテスタントのアンリ王子。
心優しい青年王子が、物語の進行と共に、深い哀しみを知り、力強くなっていく様が良かった。
伶美うららさんは敵対するカトリックのフランス国王シャルル9世(秋音光さん)の妹マルゴ王女。
高慢な王女が秘めた哀しみを表すところに涙した。
政略結婚を画策するシャルルの母君カトリーヌ(純矢ちとせさん)とプロテスタントのコリニー提督(松風輝さん)らの陰謀が渦巻くフランス。
純矢ちとせさんの母君役は貫禄と存在感が抜群だった。
松風輝さんもまるで専科生のような安定感と存在感が素晴らしかった。
そして、マルゴを愛するがあまり異常とも言える憎しみをもつカトリックのギーズ公の凛城きらさん!
最後まで憎々しい役を好演!
りんきらちゃんと呼べない位に憎々しい悪役だった(笑)
また、アンリ王子の小姓オルトン役の七生眞希さんの真摯で健気な演技にも涙~。
本当に良かった。
そして今回はこれまで全く知らなかった方々の演技にも大感動。
これまで知らずにゴメンなさい!
まずは、シャルル9世の秋音光さん。気弱な国王の狂気と孤独感が伝わってきて、上手いなぁと思った。
次は宮廷で摩訶不思議な存在感を持つ占い師のルクジェリ役の花音舞さん。
お婆のじわりじわりとした怖さが上手かった。
宙組の若手はこんなに芝居が上手いんだと実感。
一瞬…これは月組か?と錯覚するほど、芝居の宙組になっていた。
重厚なフランス宮廷ものの世界を表現していて、観劇して良かったと実感!
そして…客席を見ても観劇して良かった…と実感。
ともちんの姿がありました。
最後の挨拶で、愛月ひかるさんが「今日は客席に私達が大好きな悠未ひろさんがいらしてます」と紹介していました。
客席からも大きな拍手があって、宙組子からも観客からも、愛される悠未ひろさん。
相変わらず、にこやかな自然体。
また、観たくなる舞台でした。