本文を入力ほとんど歌がない、ダンスがない。
歌劇でもミュージカルでもない、お芝居を観たという感覚でした!
作演出の上田久美子先生の強いメッセージを感じる作品で、一幕目はとにかく暗い世界。
「へその緒」「血の匂い」など普段の宝塚歌劇ではなかなか聞かない台詞が飛び交う。
全ての情報が操作され、争いのない水星の総督の跡取り娘が、自殺願望を持ちながら自由な場所サバを目指し、兵士である主人公とそのサポーターが同行する。
全ての情報は操作されて、個人の意思はない。
自暴自棄になり、売春婦まがいのことを繰り返すこの娘もある部分から記憶がない。
サバでは自由を求めて、総督に反旗を翻そうとする人々が宿に集っている。
この一幕、幕開きからクールに暗い。
地球ではない、水星はこんなイメージなのか?
水星に住む人々の腕に光るグリーンのへその緒だけがキラキラしている。
低く鳴り響く音楽に合わせてうごめく人々。
摩訶不思議な世界が暗く広がるなか、あっという間に一幕目は終了!
二幕目は記憶を無くした主人公や娘の過去が取り巻く人々との関係が明らかになり、最終的にはハッピーエンド!
一幕目のあの暗さが嘘のようにラストは都合よく、収まり過ぎた感がある(笑)
あくまでも私的にはですが。
でも、一幕目の暗さが続いたラストだったら…救いようがない!😅
あれはあれで良いかも。
それにしても、歌わない、踊らないのは少し物足りない感じがしました。
せめて、お芝居のあとに軽くミニショーが欲しかった。
でも、これはウエクミ先生の拘りで敢えて、無くしたと思います。
「フライングサパ」の世界観を崩さないために。
歌は野営する主人公と娘、仲間たちの中で、精神科医が歌う歌だけ。
でも、静かなこの歌は良かったです!🎵
登場人物では真風涼帆さん演じるサーシャ(オバク)は、クールだけど、冷たくはない?安定の雰囲気。
星風まどかちゃん演じるミレナは強い雰囲気がお似合い。
でも、やっぱり可愛い❤️
精神科医のノア役の芹香斗亜さんは穏やかな雰囲気が一杯。
そして、存在感一杯だったのが、復讐に燃えるイエレナ役の夢白あやさん。
戦う女戦士がピッタリ!
過去の記憶のなかでは、優しい女性の姿も披露していて、好演!
以前観た「ウエストサイドストーリー」の中でも存在感が凄かったけれど、やっぱり上手いと思った。
そして、今回男役の松風輝さんが女役でしかも母親役。
劇中での数少ない歌、子守唄だけど…歌っていたのが印象的だった。
良かったです!🎵
でも、わざわざ男役さんに女役を振るのであれば、もう少しこの母子の物語を掘り下げでも良かったと感じました。
例えば、組長扮するサポーター、タルコフとの心のふれあいなど。
…たぶん、上演時間的に無理ですね!
あとは、専科の汝鳥伶さんはさすがの上手さでした!
同じく専科の京三沙さんも舞台を締めていました。
星組から組替えとなった紫藤りゅうさんも水星のスポークスマン役を王子様的にスッキリと演じていました。
【以下、あらすじ、配役は宝塚歌劇公式サイトより引用】
『FLYING SAPA -フライング サパ-』
作・演出/上田 久美子
未来のいつか、水星(ポルンカ)。
過去を消された男。
記憶を探す女。
謎に満ちたクレーター“SAPA(サパ)”。到達すれば望みが叶うという“SAPA”の奥地。
夢を追い、あるいは罪に追われてクレーターに侵入する巡礼たち。過去を探す男と女もまた、その場所へ…。
追撃者から逃れて、2112時間続く夜を星空の孤児たちは彷徨する。禁じられた地球の歌を歌いながら──
主な配役
オバク
真風 涼帆
ミレナ
星風 まどか
ノア
芹香 斗亜
キュリー夫人
京 三紗
総統01
汝鳥 伶
タルコフ
寿 つかさ
ユズ
綾瀬 あきな
テウダ
松風 輝
ロパートキン
星月 梨旺
パンプルムース
春瀬 央季
アンカーウーマン777/タマラ
瀬戸花 まり
スポークスパーソン101
紫藤 りゅう
タオカ
留依 蒔世
難民ブコビッチ
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ペレルマン
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