ようこそ我が家へ! ルース&のあ

放棄されて失われかけた小さな命たち。その成長の記録です。

ゲリラ豪雨

2010-10-17 20:44:46 | 我が家の出来事
近年聞かれるようになった「ゲリラ豪雨」。場所を問わず襲うこの現象。
とうとうやってきました!私が住む場所にも。

忘れもしない、あの暑かった夏の8月19日。仕事を終えて、そろそろ帰ろうと思った時、家内から携帯に連絡が入りました。「家が浸水しそうです。早く帰ってください。」

ん?どうして? と一瞬不思議に思いました。私の家は八王子市の北部。仕事場は同じ八王子市内の南部、多摩ニュータウンの一角です。仕事場の辺りは全く雨など降っておらず、青空も見えています。おかしいなあ・・・といぶかしく思いながらも車を走らせました。多摩ニュータウンから一山越えて、八王子市内に入ったころから、ポツポツと雨が降ってきました。それでも小雨程度です。

さらに走り続け、JR横浜線を横断した辺りから突然、雨の降りが強くなってきました。そして、JR中央線の線路に近いあたりに来た時、突然目の前の道路が川のようになっていました。周囲は土砂降りです。その辺りは「台町」という名前の通り、高台になっていて、水がたまることなどあり得ないような場所です。

「これは大変だ。」ようやく事の重大さが理解出来てきた私は、タイヤの半分ほども水に浸かりながら、徐行運転を続けました。幸い我が家の近くまで、車を運転し続けることが出来ましたが、家がある路地に水が溜まって入ることが出来ません。近所の家に頼んで車を置かせてもらい、家に向かいました。周囲はまさにバケツをひっくり返したような大雨で、外に出た途端、ずぶぬれ状態です。

家に近づいてさらにびっくり。そこには大勢の人と我が家の駐車場には消防車が 




浸水の危険があるため、家内が消防車の出動を要請したのでした。いつもはワンコたちが遊んでいる庭&駐車場にはすべて水が溜まり、一面池のよう。ここはベニスか?(建物はシケてますけど)と思うほどの景色でした。




7月に工事が終わって広くなった駐車場兼ワンコの遊び場。


普段はみんなが、楽しそうに遊んでいる場所ですが…













ワンコが遊んでいた場所です。
こんな状態になっていました。まるで運河のようです。





消防団の方々。






基礎の中ほどまで水が来ました。






消防団の方々も、これはひどい、全く排水する場所がないし、周囲の公園からも水が流れ込んできていると言っていました。

幸いに、雨はその後すぐに止み始めました。そのためこれ以上、水かさが増えることは防げました。しかし、溜まった水がすべて引くまで丸二日かかりました。





我が家が面する路地は、さほど広くない市道から、さらに下って入る袋小路になっています。我が家は袋小路の一番低い部分に建っています。

バブルの終わり頃、乱開発によって、適当に申請が通った開発地らしく、排水設備がないまま家が建てられていました。それでも私がこの地に引っ越してきた頃は、今駐車場になっている土地から奥が畑になっていましたので、雨は畑に流れ込み、自然に吸水されていました。

5年ほど前、畑の所有者がその土地を宅地業者に売り渡し、畑はすべて住宅となりました。その際、新しい宅地は今駐車場となっている場所から切り離され、ブロックで囲まれてしまいました。その時から、雨が降ると逃げ場を失った雨水は、我が家の前に溜まるようになってしまいました。

今までも20センチくらい溜まったことがあります。それでも、1日程で何とか駐車場のところで、吸水されていましたが、今回のゲリラ豪雨では、まったく間に合わず、このような惨憺たる状態になってしまいました。





自費で排水枡を一つ掘ってもらいましたが、大雨には焼け石に水。
すぐにのようになってしまいます。






手の打ちようがなく、八王子市役所に相談に行きましたが、袋小路はすべて私有地となっているため、市としては何も出来ないと、けんもほろろの対応 道路課、下水道課、整備課、どこへ行っても同じ答え。いざという時に役に立たないのがオヤジと役所です偏見

隣接するゲートボール用の公園から流れ込んでくる水については、対処すると約束を取り付けましたが、2か月を経て、いまだ具体的行動には至っていません。




夏から秋にかけて、いつまたゲリラ豪雨や台風があるかもしれない不安に、本当に困り果てていました。




そんな折、豪雨の前に駐車場の整備をお願いした、エクステリアの業者さんから連絡が入りました。我が家の排水が悪いことを知っておられて、心配されてのメールです。

私はその時まで知らなかったのですが、この業者さん、住宅の外構工事だけでなく、公共施設の工事も請け負っておられ、実は排水設備はお手の物ということでした。我が家が駐車場の工事をお願いした際、排水設備がきちんとしていないことも把握しておられたのですが、押し売りみたいになると申し訳ないと、その時はあえて申し出されなかったそうです。

この方は、私が花屋時代、奥様が生徒さんとしてアレンジメントの教室に通っていて、店を閉じてからも時々お花のご注文をいただいたりして、交流が続いていました。ご主人もとても気さくな方で、花屋のころからいろいろと、助けていただいていました。

排水設備も専門ということで、さっそく見積もりをしていただいたのですが、見積書をみてびっくり  
想像を絶する(笑)破格のお値段でしてくださるとのこと。お願いするのに恐縮してしまうほどの安さ。でも、お願いしちゃいました



工事の様子です。




駐車場に巨大な穴を掘るところから始まります。





古墳の発掘現場?と思うような大きな穴です。水が浸透するように、砂利の層まで掘り下げます。




掘った穴にシートを敷き込みます。このシートは水だけを通すシート。





穴の手前、駐車場の入り口側に枡を設置し、最初に設置した、役立たずの枡と連結します。






新しい桝から穴のあいた塩ビのパイプを掘った穴に伸ばします。





パイプの周囲を、目の粗い砂利で埋め尽くします。







砂利の上をシートで覆い、泥が入り込まないようにしてから、表面を仕上げ用の砂利で慣らして出来上がり






仕組みとしてはこんな感じです







長いパイプに伝わった雨水が、砂利を介して地下に沁み込むようになっています。




これは公共施設、たとえば公園などに降った雨水を、排水するために作る設備だとか。この設備一基で、約3000㎡(900坪くらい)分に降った雨を排水できるそうです  
ん百万円(笑)もかかるかと思うような工事を、庶民価格でして下さいました。



大災害になるほどの、普段ではとうてい考えられない大雨の場合は別として、ほぼ、これで間に合うでしょうとのこと。この工事の後、何度か、かなり強い雨が降りましたが、全く大丈夫でした。本当に助かりました



このような工事を個人が負担して行なわなくてはならないことに、少なからず疑問を持っていますが、公的な動きを災害は待ってはくれません。



台風シーズンもほぼ終わり、大雨の心配は多分もうないでしょうが、どうか皆さんのところでも、お気をつけくださいね。










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4 コメント

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大工事でしたね (まっどのまま)
2010-10-19 13:42:56
隅々まで読ませていただきました。

あたしは建設業でパートさんしている為
なんとなーーくわかりますが・・・
本当に公共事業ですね・・
個人負担って??

でも、これで安心を手に入れられたのなら
高いものでも・・・。
人事だからこー言えるのかもしれませんが(ゴメンナサイ)

この家の子たちは本当に幸せです
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Unknown (カプアンパパ)
2010-10-19 16:04:56
たいへんでしたね!!
ご存知のとおり、都心部は土の地面が露出しているところは少なく
ほとんどの地面がアスファルトで覆われてますので
ちょっとした雨でも街が池のようになります。
我が家は丘状の土地の中腹ですので、水没はないと思いますが
仕事場が半地下なので雨が降り続くと心配になります。
一度、エレベーターの制御基盤が雨水を被ってしまい、基盤取り替えに数十万円かかったことがありました(汗)

父さんも出費でしたね!
ルルのあちゃんたちのためにも
ほっておくわけにはいかないですものね。
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まっどのまま様 (ルルのあ父)
2010-10-20 23:48:51
いつもありがとうございます。
はい、大工事でしたが、無事終わりました。浸水しそうになった時一番に考えたのは犬達の逃げ場でした。まあ、溜まっても流れがないので、家が流される心配はないと思ったので、2階へ避難させましたが…

我が家のような立地に建つ家が、八王子ではかなり多いみたいです。乱開発の落とし子?という感じでしょうか。

行政も建築許可を出す時は、都市計画という視点から真剣に考えて欲しいと思います。個人の負担には限界がありますからね。
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カプアンパパ様 (ルルのあ父)
2010-10-20 23:53:00
赤坂の辺りは本当に水が溜まりますよね。私も数年前、所用で訪ねた溜池山王で大雨に合い、道路が冠水して膝上まで来た経験があり、恐ろしい思いをしました。

商店の入り口から地下へ向かう階段に水が流れ込み、ゴウゴウと音を立てていましたが、大丈夫だったのでしょうか。

災害に弱い我が東京は、何かと出費が嵩みますね~。
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