ナ ス カ 展 |
16日(日)上野の国立科学博物館に特別展 『世界遺産 ナスカ展』 を見に行きました。
珍しく駐車場にはスムーズに入場できましたが、直前に新聞に広告されたこともあり、また、あいにくの雨に屋内の施設で過ごそうと思う人たちが多かったためか、当日は非常に混雑していました。
南米に興った文明の遺産を実際にこの目で見るのは初めてでしたので、大変興味深く観覧しましたが、何しろ会場はというとまさに“芋の子を洗うよう”な状態。
ガラスのケースに収められている遺物の近くに行くのも至難の業で、ましてやゆっくりと説明文を読むこともそうそう叶わず、追い立てられるように見て回る状態でした。
がしかし、これは行かずとも見られる千載一隅の機会。いつものせっかちは影を潜め、とにかく忍の一文字です。
ナスカの時代設定は近年その研究によって詳しい年代が徐々に解明されつつあるようですが、B.C.250~A.D.600の間というのが定説のようです。
内部はもちろん撮影禁止ですので画像はありません。ごめんなさい。
土器・木器、織物などのデザインや彩色は実に斬新、縁飾りなどの織物は緻密で巧みな手法で織り上げられていて、そのパターンは現在でも十分に通用するほどのセンスで驚かされます。
その素晴らしい色彩パターンは、ペルーの民族衣装などの中に今でも見ることが出来て、それらの文化が現在に脈々と受け継がれていているのが伺えます。
ナスカの人たちは 、「戦いが好き」、好戦的な民族だったようです。
戦勝品である敵の首級(トロフィー)を祭儀で使用した様子も、像などから知ることが出来ますし、実際発掘された首級も展示されていました。
私はこのような、ミイラや発掘された頭蓋骨の骨格や歯などをいつも興味深く観察するのですが、歯の磨耗の度合いのみならず、歯の噛み合わせが現代人と明らかに異なっているのが見て取れて、進化(退化?)の進行度にいつも驚かされています。
硬いものを引きちぎり噛み砕き、咀嚼回数が今よりはるかに多かった顎は実にがっちりしていて、歯は上下同位置に合わさり奥歯はスリコギ状になっています。
これはかつて見た日本の縄文人の骨格でも同様に見られたことです。
現代人は、特に子どもたちの歯の退化は今問題視されていますね。
大人でも親知らずがすでに退化している人も多く、実際私も下の親知らず2本は抜歯しましたが、上のものは退化してありません。
永久歯の生えない子どもも最近は増えているそうです。
歯は生命を維持するための本能の1つである、“食べる”という行為を担う大切なアイテムであるというのに、こういう古の骨格を見るにつれ、いつも少なからず危機感を感じてしまうのです。
思えばかつて、歴代の徳川将軍の顎の骨格を、資料や遺骨から比較した番組を見たことがありましたが、その300年足らずの間でさえも彼らの顎はだんだんと細く小さくなっていったのです。
それは将軍の献立の、軟らかく咀嚼の必要が少ない食事がなせるものでした。
咀嚼の減少は歯の退化の一因、もしくは誘因だと語るのは過言でしょうか。
それにしても、やっぱり
ものをたくさん噛むこと。
硬いものも一生懸命噛む。
咀嚼をたくさんすることの全身に及ぼす良い影響は多大であると知っているのに、私もなかなか実践出来ずにいるもので、今回もまた良い反省材料となりました。
おっと、話がナスカとは離れていってしまいました。
どうも私は人とはポイントがずれているようです(汗)
ナスカの遺物で人物を描いたデザインの中でも、特に興味を引いたものがありました。
戦いが描かれているものなのに、とってもコミカルで、頬が緩んでしまいそうになる絵で、どう見てもおどけた顔でアッカンベーをしている、原作の 「ちびまる子ちゃん」 に出てきそうな絵柄!
4コマ漫画でもイケそうなキャラクターです。
別のものは、これまた「まるちゃん」風のキャラで、こちらはオカッパかもしくは下がり端のある童女のような女の子の顔が、いくつもいくつも横線上で連なっている模様が描かれていて、思わず微笑んでしまいました。
この女の子の絵柄は、万人にウケていましたよ!
また今回は子どものミイラも展示してありました。
1300年前のこの幼児は推定6歳ということでしたが、本当に小さくて小さくて、3歳児ぐらいにしか思えないほどです。
彼(彼女)は驚くことに、眼球の保存状態も大変良く、黒い瞳までもが確認できるのです。
私たちと同じ顔を持つこのうつろな瞳の子どもに、いったい何が起こったのでしょう。何故命を落としてしまったのでしょう。
もしかしたら、神に捧げられたのでしょうか。
母は、父は、家族は、この子の死をどれほど悲しんだことでしょう。
淋しそうにちょこんと、この子は座葬されていました。
歩き進み、最後の場所では、大画面スクリーンにCGで詳細に再現したでナスカ高原をバーチャルリアリティーで体験出来ます。
世界初の試みだそうですよ。
セスナで遊覧飛行という設定で、上空から見る60キロメートル四方、360度のナスカの大高原が映し出され、さまざまな地上絵が本物さながらに迫ってきます。
鳥瞰でしか見ることの出来ないこのような巨大な絵や線の数々を、ナスカの人々はどうして造ったのでしょうか。これにはさまざまな仮説がたてられていますが、ナレーションでは、(年間降水量がきわめて低いナスカ高原で)雨乞いの楽隊がこの線の上を歩いていた、と説明していました。
同じペルーの地に、こののち13世紀~16世紀まで黄金の国・インカ帝国の興亡があるのですね。
息苦しく人の多さに酔い、バーチャルにいささかめまいも覚えて終えた 『ナスカ展』 でしたが、慌しくも貴重な時間を過ごすことが出来ました。
6月18日(日)まで開催しています。
■おまけ■
12時25分、霞ヶ関1丁目付近。
このときはまだ雨が降ってしました。
左には外務省、右に見えるのは農林水産省。
旗が掲揚してあったので調べてみたら、セネガルの国旗でした。
どなたか要人が来られたのかな?
ナスカ展の入場券で常設展も見られるのでティラノに会いに
ギャオ~!
テレビで見た覚えが。
トリビアだったかな?
元素記号111番
ウンウンウニウム。
可愛い響き!
ラテン語で「第111の元素」の意味だそうで、後に正式名称が“レントゲニウム”に決まりました。
レントゲンと何か関係があるのかなと思ったら、ただW.レントゲン氏がX線を発見してからおそよ100年後にこの元素が発見されたからだそう。
結構安直…?
こんばんは(^^)
ふと思い立って、行ってきました~。
中の混雑ぶりといったらもう凄くて、私たちが出てきた時には入場制限していたぐらいです^^;
若い人たちも多く来場していて、年齢を問わず関心が高いのが分かりました。
GWなどは、各地からの来場者で賑わうことでしょうね。
機会がありましたら、是非
>名前を付けるモチベーション薄れるのかな
ふふふ、そうなのかも知れませんね
ウィキペディアで調べてみると、どうやら掴み所のない(?)元素のようで、命名するのに難儀したのでしょうか、まんまですよね。
苦しいこじ付けでレントゲニウムにした!って感じです
ウンウンウニウムでよかったのになぁ~
でも上野ですからね(苦笑)。
巡回できそうな企画じゃないのかなぁ…。ロングランのようなので、機会を虎視眈々とうかがいます。
ウンウンウニウム 元素記号111番…。
ここまで来ると、名前を付けるモチベーション薄れるのかな?未確認の星を見つけた時のような興奮ってないのかもしれないですね(笑)。111番覚えました。