物語冒頭からアクションシーンではじまる「シン・仮面ライダー」。
血しぶきが上がる仮面ライダーシリーズなんて今まであったのだろうか?しかもそれがライダーによるものだとか、、、。
シンシリーズというのが正しいのかはわからないが、個人的シンシリーズの順位をつけるなら、
1 シン・エヴァンゲリオン
2 シン・ゴジラ
3 シン・仮面ライダー
4 シン・ウルトラマン
となる。ウルトラマンは樋口真嗣監督ではあるが。
ストーリーはとても良くできていた。
仮面ライダーになる必然性、ショッカーと戦う意義、2号ライダーの登場と2時間の上映時間の中に上手くまとめられていたと思う。
予告編ではイマイチ心配だったアクションシーンも、実際の作中ではその心配は杞憂に終わったと思う。特にライダーキックの破壊力は抜群だ。
私は芸能人に疎いので今回の主役級の方はほとんど知らないのだが、緑川ルリ子訳の浜辺美波は特によかったと思う。
おそらくシン・ゴジラと時と同じく庵野監督からの指示で役者側の「演技」をほとんどさせない手法を取っているとは思うのだが、感情を押し殺したような演技において、浜辺美波はとても良かったと思う。
反対に男性陣はどの方の比べるとイマイチに見えた。
映画鑑賞の時はパンフレットは必ず買うようにしているのだが、今回パンフレットを見て初めて長澤まさみが出演しているのを知った。映画を観た後にパンフレットを見たのに、、、。あれが長澤まさみとは気が付かなかった。
ただ、このパンフレットの内容、後ろ1/3が広告なのはどうなんだろうか?とは思う。
特典のプロマイドは2号と緑川兄だった。
怪人のデザインもコウモリオーグを除いて素晴らしかったと思う。これは設定的にコウモリオーグが旧型であることにもよるのだろうが、その他の怪人はカッコよくデザインされていたと思う。
サイクロン号も初見ではどうかと思ったが、劇中ではさほど違和感を感じなかった。
ロングショットで撮った自然の中や鉄道のシーンはとても美しい。
残念なところは、庵野秀明監督は本当に特撮をしたかったのか?という疑問はある。
コウモリオーグとの戦闘シーンは、空中での戦闘シーンということもあってしょうがない所もあるのだが、CGが多用されている。
このCGがいかにもCGという感じで安っぽく見えてしまう。なぜ、こんな作り方をしたのか?その他の戦闘シーンとの差があり過ぎる。トンネル内でのバイクの走行シーンも同様だ。
冒頭のダンプカーとのカーチェイスシーンは実物とミニチュアを使用した撮影らしいが、特別に特撮が素晴らしいとは見えなかった。
その他にも「これならアニメでやっても良かったのでは?」と感じる時もあった。ただアニメで作ったとしても、庵野監督ことだからプレビズを使用して普通のアニメにはならないとは思うが。
全体としては、とても面白い映画だと思う。
もう1回は見たいと思う、その点ではシン・ウルトラマンよりは上だと思う。