コーヒー・ブレイク

故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る

ジャズ喫茶

2015-05-06 | 日記
ジャズ喫茶というところへはじめて足を踏み入れたのは学生時代のこと。
ジャズ好きで自分でもバンドに参加している友人のあとについて入っていったのだが。

うす暗い店内に大音響でレコードの音が鳴り渡っていた。
客はたいていの人が下を向いて静かに聴きいっている人ばかりだ。
私語をかわす人もいない。不思議な空間だった。
当時のジャズ喫茶は「私語厳禁」がきまりになっていたようである。

雑誌「三田評論」四月号の三人閑談は「ジャズ喫茶でスウイング」という
テーマだったから興味をもって読んでみた。

七十年代、八十年代のジャズ喫茶の様相が語られている。
内容は上記のごとく自分が体験したのとほぼ同じである。
しかし自分が知らなかったことも多く語られているので驚いた。

ジャズ喫茶は今は下火になっているけれど、九州や四国ではいまだに
古くからある店が健在らしい。
「DUG」(新宿)も例外で、すごく流行っていて週末は満員で入れないという。
アルタの裏にあった「DIG」は良く行った店だ。いまでもあるのだろうか?

千駄ヶ谷にあった「ピーター・キャット」というのは作家の村上春樹の店らしい。
また、最近出たばかりの「ジャズの巨人」という雑誌の創刊号でマイルスについて
語っている後藤雅洋氏は四谷で「いーぐる」とう店をやっていることも今回はじめて
知った。

ジャズのCDマガジンが今でも次々と発刊されている。
ジャズ喫茶は下火になったかもしれないが、ジャズはまだまだ聴きつがれてゆくだろう。
ジャズはまだまだ死にはしない。

               引用:三田評論・2015・4月号より