オスカーにもノミネートされている「ブリッジ・オブ・スパイ」。
見ごたえ十分、さすが重鎮の映画。
実話とはいえ、それほど知られてない(と思うんだけど)物語なので、
ドノヴァン弁護士について下調べしないでいけば、よけいに手に汗握る物語になる。
ベルリンの壁崩壊の物語はたくさんあるし、
イメージとしても強く残っているけど、
その壁ができたときのことを新鮮に感じることができた。
身近な場所に高い壁ができ、生活圏が二分されたら・・・
閉鎖された場所で絶望的な気分を味わった人々が多くいたことを思う。
国家によって翻弄される人々。
それぞれは敵味方関係なく心で交流することもでき、信頼関係を結ぶこともできるのに。
国家という枠組の中で運命を狂わされてしまうのがあまりにも惨い。
こんなとき、ドノヴァン弁護士のように、個々の人々を見ることができ、基本的な秩序を崩さない人が人間の尊厳を支えてくれるのだと思った。
国家とはいえ、結局一部の人々の思惑。
一部の人々が国家をかたっているだけだということを私たちは忘れちゃいけないと思う。
完全に男性社会の映画なのだけど、
そんな中にあってドノヴァン弁護士を支える妻の強さが光る。
個々の人間を“唯一”の存在として愛情を注ぐ妻の姿にホッとする。
男も女も強くなければ生きられない時代だったんだよね。
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