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「悪童」 カミラ・レックバリ

他の本とかけもちしたり、
しばらく捨ててたりしたけど
後半はほぼ一気に読んだ。


スウェーデンの女性作家、カミラ・レックバリの人気シリーズ、
エリカ&パトリックもの、第3弾。

「氷姫」で久しぶりの再会を果たし、恋人になったエリカとパトリック。
それが「説教師」ではいきなりエリカが妊娠。
だいぶ文句垂れの妊婦だったんだけど
今回はマヤという娘が生まれ
二人はさらにパニック状態。

でも物語の最後にパトリックがエリカにプロポーズをしたり
子育てもだいぶコツをつかんだりとハッピーエンドになるかと思いきや・・・
という展開。

順番がぜんぜん違うじゃん。

スウェーデンとかはこういうの普通なんだろうな~。



以下ネタバレあり。






今作には2種類の女が出てくる。
話のメインテーマはそこかな。

エリカやシャロットは子どもを産み、かなり太って、でも一生懸命子育てをしている。
パトリックはそんなエリカを好きだけど、理性でそれを保っているフシもあるな。
シャロットの夫ニクラスはそんな妻の目を盗んで、
ただ外見だけの女と浮気している。

もう一方の女たちは
何より大切なのは“自分”。
美しければ幸せになれるし、彼女たちが思う“醜い”女たちよりも、確実にその資格があると思っている。
彼女たちが思う“醜い”女とは、エリカやシャロットのような女たち。

他人の目から自分の外見がどう見えるか、それだけが自分の価値なのだ。
老いは無視、人情も無視。

第4弾「死を哭く鳥」では
エリカはアンナと再会できそうだけど
ルーカスを殺したアンナの運命はどうなるのだろうか。

この作品はスウェーデンの田舎町フィエルバッカが舞台で
DVや小児性愛のトラブルも取り上げられている。
スウェーデンの男女感はある意味日本よりもだいぶ進んでいるようだけど
でも、男女の権利としてはまだまだ女性が差別されているような印象も受ける。

「ミレニアム」の世界も彷彿させて
今後も楽しみ。
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