★we were on a break★

水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

「ありあまるごちそう」

2012-05-13 15:25:06 | 映画
wowowの“食”ドキュメンタリーシリーズで見た。
「ありあまるごちそう」原題は「we feed the world」だ。

この“we”とは
「フード・インク」で登場していたような
世界を牛耳る大食品会社たちのこと。
今作では“ネスレ”のCEOが登場する。

ラストシーンが日本の映像で締めくくられる。
ネスレのCEOが見せるのだ。
完全オートメーション化され、
労働者など必要なくなった工場。

「ほらね。日本人はこんな風に上手くやっているよ。
 誰も文句なんて言わないだろう。」

とでも言いたげ。


「フードインク」ではアメリカの大企業に使われる南米の人々が描かれていたけど
今作ではヨーロッパのトマト畑で働くアフリカ人労働者を描く。
アフリカでもトマトは作れるが
スペインの企業からアフリカに輸入されるトマトが安すぎて
地元産のものが売れない。
アフリカの農業は成り立たなくなって
職にあぶれた農民たちは自分たちから職を奪ったヨーロッパの企業の畑で働くしかない。
アフリカの国々の経済は成り立たず、崩壊しているのだ。
なんという悪循環。

結果的に大企業は安い働き手を得るために
まずはターゲットから職を取り上げているようだ。

でも企業が利益を求めるのは当然。
全体を見ると、
明らかにおかしいところが沢山あるのだが
それを許している私たち個人個人にこそ罪があると思う。

安いものに飛びつく前に
まずはそれが正当なものなのか考えるべき。


地球上で120億人を支える経済活動が行われているのに
実際には毎日大量の人が飢餓で命を落としている。
これは“殺人”ではないのか?

オーストリアではパンが
毎日大量(オーストリア第2の都市で消費する分くらい!)に廃棄されている。
スイスはインドからの輸入小麦に頼っているが、
小麦を輸出しているインドでは
2億人もの人々が飢えに苦しむ。
ブラジルのお母さんは
お腹が空いたと子どもが泣くと、
鍋に水と石を入れて沸かすとか。
「今ご飯を作ってあげるからね。」
と慰めている間に、子どもは泣き疲れて寝てしまうから。

無関係ではいられないと思う。
日本は優位な国のつもりでいるけれど
“インド”になってもおかしくないのでは?
そして
優位でいるつもりの国々だって、
その未来が明るいとは思えない。




ありあまるごちそう - goo 映画
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