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お久しぶり!

『華栄の丘』 宮城谷昌光

2008-12-11 22:27:37 | 読書
考えてみると
すごく昔の話なんだよね。どれも。

でも人が皆生き生きと動いている感じで
これが宮城谷作品なんだなと思う。
中国の英雄たちの物語なんて
難しい文章で書かれていたら
けっこう敷居が高いものね。

宋の文公(晋の文公・重耳とは別)の一番の臣、
華元の物語。
争わずして勝つ。
というのが華元のいつもの姿勢。
“勝つ”という意味も
読んでいくと分かるんだけど
普通の勝つとはだいぶ違っていて、
華元の場合は
仁・義・徳 などに反せず、
誰の目からも公正で正当なの。

自身の名を上げることにこだわらず
君である文公を助ける姿勢が
本当にすばらしいんだけど
華元に言わせれば
「臣が君の為にすることは当たり前。
 そのためなら死さえもありがたく受け入れる。」


今の日本、
こういう人が総理大臣の近くには
まったくもって一人もいないんだろうな。
皆自分の将来のことしか考えていない。
そして
もっともバカなことは
それが皆にバレちゃっている、ってことなんだよね。


そういうのを
華元の時代にはなんというか、

暗君と暗愚の臣。

どうなる?日本。
滅びられちゃ困るけど。
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