『モーターサイクル・ダイアリーズ』

こういう映画をＤＶＤで見ると
いつも思うのが
「何で、もっと早く見なかったかな～～～」
ってこと。

ガエル・ガルシア・ベルナルを
『バベル』で初めてみたので
なんとなく興味惹かれなかったんです。
でもそれって間違っていました。

エルネスト・ゲバラ

のちにチェ・ゲバラと呼ばれ
キューバ革命の英雄となった人。
ただ、ああいうアメリカには嫌われるタイプの人って
どうも日本人には間違った偏見で受け止められているので
こんなピュアで素敵な人物だと知りませんでした。
というか、
彼に関しては名前ぐらいで、
本当に何も知らされてない気がしました。

ただ漠然と人の役に立ちたいと考えていた医大生のエルネスト。
友人とやはり熱い大志を抱く男、
アルベルト・グラナートと一緒に
旅に出ます。

旅行計画・・・４ヶ月で８０００キロ走る
方法・・・・・行き当たりばったり
目的・・・・・本でしか知らない南米大陸の探検
移動手段・・・怪力号（ポデローサ号・バイク）（２人乗りで！）

旅を始めて途中でポデローサ号はポンコツになり
歩いて旅するハメに。
超ビンボー旅行なんですよね。
で、その中で南米大陸の
正直で真面目に生きているのに虐げられている人々に出合う。

エルネスト（アルベルトは彼をフーセル（激しい人）って呼ぶのだけど）が
医者になろうという志を
徐々に貧しく辛い生活を送らされている人々に向けていく様子が
その変化がとても感動的です。
人を治す人から国を治す人へと変化していくのが。

エルネストがお世話になったハンセン病施設でするスピーチ。
「無意味な国籍で国が分かれているが、
　南米大陸は１つの混血民族で形成されている。
　偏狭な地方主義を捨てて
　ペルーと統一された南米大陸に乾杯しましょう。」

淡々と語られる映画でしたが
そのあっさりした感じが
尚の事、彼の不器用さや、
内なる情熱を表現していた気がします。



１９５２年にこの旅をして
１９６７年にはコンゴ（たしか・・）で処刑されたエルネスト。
３８歳か３９歳で亡くなっているんですね。

この映画を何故もっと早く見なかったのかも後悔だけど
チェ・ゲバラをほとんど名前しか知らない、
なんていう自分にも後悔です。

ガエル・ガルシア・ベルナル。
昔のアラン・ドロンみたいな面ざし。
エルネストの真正直な人柄にぴったりでした。