『シリアの花嫁』

多分男子だったら
この作品は耳に激痛が走って見ていられないかも。

先日の党首討論もそうだったけど、
あの討論でも気になったのは
両者のメンツ争い。

どっちの陣営も口をそろえて、
「こっちに軍配。」「いや、こちらに軍配。」
って言い合っていたけど、
バッカじゃないの？
“勝ち負け”がそんなに大事なのか。
税金使って討論して、
一番のテーマを“口げんか”にするなと言いたい。


この作品は
メンツを保つために（特に）男たちがしていることが
どんなにくだらないことか気付かせてくれる。

「妻の幸せよりも、人がどう見るかが大事なのか？」

結婚しておそらく２０年近くになろうかっていう夫婦。
妻が夫に問う。
悲しいかな、夫は答えられない。
たぶん、答えがわからないのだ。

日本人には馴染みのないことなんだけど
国と国との都合で
無国籍地域となってしまったゴラン高原の村。
その村を出て嫁ごうとしている娘。
出てしまったら
もう戻ってこられない。

でも、メンツよりも
“実”のある幸せを求める女たちは
命をかけて冒険するのだ。

小さな村で男たちがこだわっていることを
きっと見る人の多くは「くだらない」と思うだろう。
でも、国家規模で行われることも
この小さなメンツ争いの延長でしかないこと。
で、人は多かれ少なかれ、その“くだらない”事に関わってしまっているのだ。