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水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

「もうひとりの息子」

2014-01-25 08:01:24 | 映画
「そして父になる」と同じテーマなんだけど
こちらはさらに複雑。
息子たちはすでに18歳になっていて
それぞれの暮らしが確立しているから
生活をスイッチするってことはない。
ただ、
パレスチナ人とユダヤ人ってことで
親子、特に父や兄との関係がぎくしゃくしてしまう。

愛する息子や弟に、
先祖代々の宿敵の血が流れていたら・・・。

特に、パレスチナ人の兄は
弟が憎きユダヤ人だったと知って
心中穏やかではいられない。
住むところを奪い、仕事を規制し、自由を盗んだイスラエルの人を恨んで生きているのに
息子や弟と思っていた者が、そのイスラエルの人だったのだ。

戸惑う男たちに比べて
女たちがぶれないのが印象的。
イスラムは男性が強く女性が弱いイメージがあるけど
母親には芯の通った力強さを感じた。

たとえ育てた息子が息子ではなかったと知っても
一瞬たりとも愛情に迷いがない。
そして新たにわかった本当の息子にもすぐに愛情を注ぎ
そして、育てた息子への気遣いも忘れない。

世界を平和にするのは
母親たちなのだと思う。

パレスチナ自治区でのイスラエル兵とパレスチナ人との間は
この映画に描かれているような、生易しいものではないと思う。
アフリカ喜望峰から北上して貧乏旅をする人の本を読んだことがあるが
彼はアフリカでさんざん怖い思いをしてきたのだけど
パレスチナ自治区に行って
「世界で最も恐ろしく、そして最低の場所はここだった」と書いている。

世界中に根深く残る争いを消すということが、どうしたらできるのか
その答えを見つけるための希望の光を見せてくれる作品。


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