世界選手権団体戦で
張本が中国の2選手に勝ったのも
WTTチャンピオンズマカオ
で
ルーマニア選手セーチが
陳夢に勝ったのも
相手の打球を高く跳ね上がるまで
待って打つのでなく
テニスの伊達公子が得意とした
できるだけ跳ね上がり直前で
コンパクトな振りで鋭く打ち抜く
スマッシュ
ライジングショットに優れていたからだ。
こうしたショットが
これからの卓球を制する最大の
武器となることを
私は早田ひなへの助言で
繰り返し主張してきたが
いよいよそうなる想いが
確固としたものとなる快挙
がここに来て立て続いて起こったわけだ。
実はこの主張は
カット打ち対策として
それ以前から
私が主張してきたものである。
ライジングショットを
凄まじく連打できる者が
世界を制することとなるだろう。
石川佳純と王曼ゆを破った
ユアンの台頭もこの打法によるところが大きい。
伊藤美誠対陳幸同
の試合では
美誠のライジングショットが
それほどに決め手とならなかった。
なぜ決め手とならなかったかは
歴然としていた。
決め手になったのは
陳が前陣にまだいたときで
すぐに台から離れて
中陣に構えられると
余裕で素早く対応できるものでしかなく
鋭いカウンターを受けることとなった。
その状況を見て
すかさず戦術転換をできなかった
美誠とコーチの技量に問題があったというしかない。
相手が台から離れて応戦しだしたなら
前後に揺さぶるなどの
change of pace
を仕掛けて崩すのが長けた戦術となる。
一本槍の美誠にはそれができなかった。
早田ひなは
ラリー中でも change of pace
ができつつある選手になっているし
もともとからその手口を種々用意しているので
それを美誠も吸収するといいだろう。
ひなは
大振りのドライブからコンパクトな振りのライジングショットへと
シフトしようとして
腕を傷めることになってしまったようだが
早く回復して
また前に踏み出して行って欲しいものだ。
中国選手の真骨頂は
今回のWTTカップファイナルズ
男子決勝 王きょきん対張本戦で
王が存分に主張した
あたう限りの力を結集させた
パワードライブだ。
中国選手はこれを最大の武器とするのが至上命題である
ということが
王のパフォーマンスと
彼のコーチが第1ゲームを張本に先取された直後に見せた
手振り指導から
はっきりと見てとれた。
パワードライブではまだ力に劣る
若き張本は
王のこの主張に
真っ向
パワードライブで対抗することを
基本としたために
敗戦に追いやられてしまった。
だが
張本が随所で見せた
王のパワードライブに
感性で素早く対応して
その跳ね上がりを
スマッシュしたときは
王を崩しまたは王陣を撃ち抜き
ポイントを獲得していた。
世界選手権団体戦での王との
対戦より
明らかにパワフルに振り抜く王のパワードライブさえ
張本は
そのライジングスマッシュで
見事に対抗できたのである。
しかしながら
世界選手権とは違って
張本もコーチも
なぜか
これを無視するか軽視するか気づかず
終始ドライブで対抗することを
基本戦術とすることに徹して
中国の主張をただ丸飲みするだけ
で試合を終えた。
・・・
私の主張に対して
中国は牙を剥き
日本は反抗した。
だがしかし
感性だけは
率直に反応して
真実を語った❗️
今日終わった全農TOP32船橋大会を観て
修正する。
女子決勝の平野美宇の高速卓球を観察してみると
フォアハンドでは
ライジングスマッシュではなく
ライジングを捉えての鋭い
ドライブだった。
ライジング打ちは
スマッシュばかりでなく
ドライブも破壊力あるものであることを理解した。
もちろん
私の主張を受けての
佐藤瞳戦で見せた
伊藤美誠のライジングスマッシュも破壊力ある武器であると思う。
瞳はこの攻撃を想定して
カットをより前方で行い
素早く前に詰めて速攻するといった
カットマンの枠を脱して
カットマンを足場とした
速攻を組み立てる
オールラウンダーに変貌した。
この二人の戦いは
とても素晴らしいものだった。
結局のところ
スマッシュ良し
ドライブ良し
のライジングショットを
制する者が
世界を制する
と言える。
この観点からすると
伊藤美誠と早田ひなが
主役から降ろされ
平野美宇と張本美和の時代に
なっていくような気がする。