サンズ・トーク

大晦日の紅白は見なかった

私は、暮れの紅白は、もうとっくに卒業しているのでした。

だって、NHKが歌業界の有力タレントをこの時間帯に括りつけて独占しようとするのだ。
その割に、番組の中身には、男組と女組の歌合戦という古いまんまの骨組みで、本当に意外性も、話題性もないではないか。

じゃあ、どうする。

今年は、NHKのBSプレミアムの高倉健の映画特集に釘付けになっていたのです。
「幸福の黄色いハンカチ」
「駅」
「居酒屋兆治」それから、翌早朝には「遥かなる山の呼び声」
4本みて、堪能しました。よかった。

高倉健は私よりひとつ年上。
健は、どれもみんな過去に傷を持っていたり、触れられたくない女関係が秘められたりしている人を演じている。
3本には倍賞千恵子が好演している。どこにでもいそうな、だけどいい女をやっていて、素晴らしい。
居酒屋兆治だけは、女性が加藤登紀子。でしゃばらず、さりげなく演っているがとてもすんなりしている。
この本は、山口瞳の小説の映画化だが、本当は中央線沿線の阿佐ヶ谷だか西荻だかが舞台のはずだが、映画ではそれが函館というシチュエーションになっている。
私は、小学校のとき、しばらく函館にいたのだが、カットの端々に、昔馴染んだはずの光景が見えたりした。
山の角度とか形、路面電車が右方向へカーブしているあのあたりとか、何でもないカットに変わらない函館を思い出したのだった。
そこには、人に知られたくない心の傷に疼きながら、押し殺した表情の高倉健がいたのだった。

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