絶えて久しく虹を見た記憶は遠く、それでもこの6月、雨の上がった夕刻、我が家の二階から虹が見えたのでした。 我が家の二階、隣家の二階のひさしの向こうに見えた虹は、結構太く、でも儚げなきざはしだったのです。 絶えて久しく、といったけれど、虹を見たのは何時のことだったのか、まるで記憶がないぐらい昔のことのように思えたのです。 すると・・・・。 私の青春時代に見たのかな、どんなところで見たのかな、誰と一緒に見たんだっけ。 虹を見た記憶は、容易に蘇ってこない。 でも、どこかの川のほとりで、父母と一緒に見たはずだ。 そう、ひとり極めつけて、思い込んで納得したのでした。