軽井沢に行ったとき、旧軽に室生犀星の碑があるのを知った。
助っ人だったKという青年が、軽井沢だったら室生犀星の碑があるのでちょっと寄りませんか。
といって案内されたその碑は、雑木林に囲まれるようにあったのです。
文学青年という風ではなかったKくんなのに、良く知ってるなとその時は思ったのでした。
それで、今、そのことを思い返して調べてみた。
室生犀星の詩
ふるさとは遠きにありておもふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひて涙ぐむ
その心もて
遠きみやこに帰らばや
遠きみやこに帰らばや
実は、このKくんは25年ぐらい前に私の事務所を手伝ってくれた青年で、その後、才媛を娶って業界を去り、ニュージーランドに行ってしまってあと没交渉だったんです。
Kくんは金沢出身、室生も同郷だったんだ。
そして夫妻とも、ニュージーランドに定住、永住して、同地で公務員になったり、空港勤務などをなさっている。
ひょっこりそういう便りがエアメールできたので、現地での集合写真を見るのだが、青春時代のご両人の面影しか私は知らないので、何かいいおじさん、おばさんが写っている。そうとしか思えないのでした。
犀星の詩では異土の乞食などというフレーズがあるのだが、今のお二人はクインズランドに住居を持って、いい暮らししているみたい。
犀星の詩は、今の私、そして25年も遠くなった記憶。それが遠きにありておもふものという詩にぴったり、ジンと来るのでした。
その心もて 遠きみやこに帰らばや
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