70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

過信

2016-02-17 11:24:54 | 愛すべき子どもたち

「親が我が子を虐待するなんて全く理解できない!」 これは、あるラジオ番組のパーソナリティーをしているタレントが、児童虐待のニュースが流れた後に発したコメントだ。 かれは、自分は絶対そんなことをする人間・親ではないと信じているが、

児童虐待は、あってはならない。しかし、虐待とはマスコミで頻繁に報道されている身体的虐待だけではない。子どもに対して恐怖を与えるような言動や激しい夫婦喧嘩を子どもの前ですることも、子どもの心や脳に大きな影響を与えてしまう心理的虐待となるのだ。

親となって真剣に子どもと向き合い養育する中では、きつい言葉や威圧的な態度で接してしまう事もあると思う。もし無いと言いきれるとしたら、傍目でしか子育てに関わっていない親か、超が付くほど穏やかな人か、子どもの立場でものが考えられない人だ。

親は聖人ではない。泣き止まない赤ちゃんや反抗的な態度や言葉を発する子に、時にはむかっ腹だってたつのだ。そして子どもが恐怖を覚えるたり傷ついたりする言動で切り返してしまうこともある。だから私たちは、自分の子育てに「虐待なんか関係ない」、「全く理解できない」と過信してはいけない。虐待の悲しいニュースを聞いたときは、虐待を犯してしまった親に対して憎しみを持つことより、まず自分をチェックすべきだ。「私は、大丈夫だろうか?」 そして、起こってしまった児童虐待事件について社会として、地域として、福祉支援として何をすべきだったのか考える時としたい。

 

 

あと2か月もするとまた、ツバメがさんあいに戻ってくきて子育てを始める。

 

 


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