70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

自己有用感と居場所づくり

2021-02-19 16:27:58 | 愛すべき子どもたち

自己有用感とは、子どもたちがクラスや部活の中で自分は役に立っているという気持ちである。この気持ちは、自分自身の居場所との関連で大変重要な感覚である。人は心身健全な生活を送るうえで物理的にも精神的にも居場所が必要であり、精神的な居場所は他者の関係の中から作られる。

さて、子どもたちの自己有用感を育てるには、発達に応じた役割をあえて与えてあげることが重要である。そしてその役割は、誰かの役に立っていることを実感させて、感謝してあげることである。小舎制の家庭的養護では、一人の職員が担う役割が大きくなってきている。例えば、さんあいでは厨房で調理をせずに職員が各ホームで食事をつくる。小さな子どもたちの気を配りながら、また時には喧嘩の仲裁をしながら主菜、副菜、汁物を作ることもある。

子どもたちは、そんな忙しい職員を見ているので自主的にお手伝いをしてくれる時もあったり、子どもたちの役割としてテーブルの用意をしてもらうホームもある。小舎制の家庭的養護の大きなメリットは、子どもたちのお手伝い等の機会が増えることで、子どもたちは自己有用感が向上してゆき、ホームやさんあいの中に居場所を見つけて行く。児童養護施設の第一の役割は、物理的に子どもたちに安心安全な生活場所を提供すること、そしてその次は精神的な意味における居場所を提供することだ。そう簡単なことではない、でもそれを目指すべきだと思う。

新人職員は、最初は食事を作れだけでも大変です。でも段々と慣れてくると上手に子どもたちに手伝ってもらいます。

 

そう、小さくっても役に立つことは沢山あるよね。

 

 


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