70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

実家

2015-10-27 10:33:15 | 愛すべき子どもたち

5月に行われるさんあい創立記念祭や11月に実施されるバザーの案内は、さんあいを卒園した子どもたちにも送られる。卒園者の中には、その後の歩みが不安定なものもいるが、頼れる身内や友だちが少ないのが現状だ。そんな時に、さんあいのイベントに来て、他の卒園生と会ったり職員と話をしたりして帰って行く。

 

実家というものを持たない彼らにとって、さんあいに来ることは実家に戻るような感覚に近いのかもしれない。でも顔を出す卒園生は、様々な問題を抱えている者が多いと感じる。そんな中で、時には赤ちゃんや子どもを伴ってくる者もいる。そんな時は職員にとって何よりもうれしい瞬間だ。考えてみれば年末年始やお盆以外に人が実家に帰るのは、苦しみや喜びを身内に共有して欲しいときだ。

 

卒園以来、一度もさんあいに顔を出さない子もいるが、それは様々な状況があるのであろう。糸に切れた凧のように、不安定な生活を送っていたり、警察の厄介になっているケースも風の便りに聞く。また、自立して新しい家族を持ち、そして帰れる実家を持っている者もいる。

 

さんあいは児童福祉施設だ。卒園生の実家のようにな存在になるのには現実的に限界がある。施設の願いは、卒園生が新しい実家を持つようになること、或いは卒園生の新しい家族が、彼らの子どもたちにとって実家になることである。

 

今年5月の創立記念祭には、多くの卒園生が来てくれました。

 

長年さんあいで生活した子どもたちにとって、この深谷市の農村部が彼らの故郷の1つとなっていくであろう。

 


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