5分ぐらいの、 短い うたた寝。
その時見た 邯鄲の夢、 みたいな 簡単な夢。
ただし 「起承転結」 的な 分かり易さ、 とは 違う。
いろいろ 絡み合うから、 複雑 と 感じさせるかもしれない。
***************
構造は シンプル。
最初の夢を 見た。 → ①
その夢が 夢の中で、 忘れていた 子供の頃の記憶を 呼び起こし、 → ②
その記憶が、 最近見た 夢のような光景と 結びついて、 → ③
その後、 はっきりと 覚醒した。 → ④
*************
① 最初の夢。
直径5m 深さ3m ほどの 穴を掘り、 水を入て 池を作った。
睡蓮を 100株ぐらい、 植木鉢のまま 沈めた。
それを見ていた男の子が 自転車に 乗ったまま、 池の中に 入っていった。
その男の子は、 オレだった。
泥と藻で 濁った水。
上から光が差し込んでいるため、 暗くはない。
睡蓮の茎が 何本も、 目の前に 揺れていた。
植木鉢に ぶつからないよう 避けながら、 自転車で 睡蓮の林に突入する。
苦しいかもしれないと 不安は あったが、 苦しくはなかった。
で 茶色いような 緑色のような、
ゆらゆら蠢く景色を 見ていて、 思い出した。
**********
② 夢の中で思い出した、 過去の 記憶。
小学校 4年の頃、 当時は 二子玉川の 近所にも 畑がたくさんあった。
皆と遊んでいて、 オレは 「肥溜め」 に 落ちた事がある。
頭から 落ちた。
なぜ 落ちたのか、 覚えていない。
どう、 這い上がったのかも 分からない。
直後でさえ、 記憶が 飛んでいた。
誰も 助けて くれなかった。
夢中だった。
覚えているのは 黄色いような 黄緑色のような、 明るく 漂う モヤモヤ。
そして、 匂い。
**************
③ 夢の中で 子供の頃の記憶が甦った 瞬間、 もうひとつ 気付いた。
先日、 このブログの 【アート】 コーナーで アップした、
エミリー・ウングワレー展 の文章。
あそこで書いた、 展覧会場に入ってすぐのところに 並んでいた 22枚の絵。
あの世界は、 「肥溜め」 の中の光景 そのものだ。
「肥溜め」 の記憶は、 黄緑色が 基調。
絵のほうは、 水色とかピンクとかもあって 色鮮やか。
けど 世界は まったく同じ。
***********
④ ここで、 はっきり 目覚めた。
***********
あの文章のタイトルが 『大地の夢』 。
遠い記憶を 感じさせてくれる 夢のような 展覧会。
香しき、 夢の夢!
ちょっと出来すぎた 冗談みたいだけど、 夢も 記憶も ウソではない。
************
そんな夢の事を 書いちゃうと、 エミリー・ウングワレーの作品を、
汚らしいものと 感じさせてしまう かもしれない。
匂いまで 呼び起こす必要なんて、 ないのかもしれない。
だけど 夢見ちゃったんだから しょうがない。
思い出しちゃったんだから しょうがない。
オレ的には、 ただ ただ 感慨 深いだけ。
****************
もちろん エミリー・ウングワレー展を 落とし込めようなどという 意図は、
これっぽっちも ない。
とても 素晴らしい、 美しい 展覧会だった。
・・・ この世のものとは 思えないほど。
************
やはり そうだ。
もう1人の オレは、 いや 本当の オレは ・・・ かもしれないが、
ヤツは、 10才の時に 死んだのだ。
今の世界は、 その子が 「肥溜め」 の中で 見ている 「夢」 なのだ。
************
汚いものも、 臭いものも、 感動に 結びつく。
「美」 に 結びつく。
マクベスに登場する 魔女の言葉 だったっけ ・・・、
「綺麗は汚い 汚いは綺麗」
************
オレは 『大地の夢』 のなかで、
「大地の広がりが消され、天地の意味付けが与えられている」
と、 書いた。
そう感じたはずの オレが 見た 最初の夢は、
空間的に 閉じこもった、 狭い 世界だった。
小さな 池の中。
上からの 光り。
明らかに、 縦の世界。
だが、 キリスト教的な 「天地」 とは ちょっと違っていた。
もう少し 混沌としている。
世界の意味が、 幾つも 重なっていた。
夢 ・ 記憶を通じて 、 横に 広がっていく。
***************
オレは 子供の頃から、 宗教的な意識が 薄い。
というより むしろ、 拒否して きた。
現時点でも 無宗教である。
とは言え この国で 生まれ育つあいだに、
仏教的 (?) な美意識は 染み付いている。
仏教を信じている と言う事ではなく ・・・。
************
今考えると この夢、 「序破急」 の流れだ。
「能」 の台本を 作れるかもしれない。
① 序 ② 破 ③ 急 で、 ④ 退場 ・・・ かな?
*************
オレは 昔から 時々、 池の夢をみる。
*************
エミリー・ウングワレー展 大地の夢
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2008-08-30 16:01:30 up
その時見た 邯鄲の夢、 みたいな 簡単な夢。
ただし 「起承転結」 的な 分かり易さ、 とは 違う。
いろいろ 絡み合うから、 複雑 と 感じさせるかもしれない。
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構造は シンプル。
最初の夢を 見た。 → ①
その夢が 夢の中で、 忘れていた 子供の頃の記憶を 呼び起こし、 → ②
その記憶が、 最近見た 夢のような光景と 結びついて、 → ③
その後、 はっきりと 覚醒した。 → ④
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① 最初の夢。
直径5m 深さ3m ほどの 穴を掘り、 水を入て 池を作った。
睡蓮を 100株ぐらい、 植木鉢のまま 沈めた。
それを見ていた男の子が 自転車に 乗ったまま、 池の中に 入っていった。
その男の子は、 オレだった。
泥と藻で 濁った水。
上から光が差し込んでいるため、 暗くはない。
睡蓮の茎が 何本も、 目の前に 揺れていた。
植木鉢に ぶつからないよう 避けながら、 自転車で 睡蓮の林に突入する。
苦しいかもしれないと 不安は あったが、 苦しくはなかった。
で 茶色いような 緑色のような、
ゆらゆら蠢く景色を 見ていて、 思い出した。
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② 夢の中で思い出した、 過去の 記憶。
小学校 4年の頃、 当時は 二子玉川の 近所にも 畑がたくさんあった。
皆と遊んでいて、 オレは 「肥溜め」 に 落ちた事がある。
頭から 落ちた。
なぜ 落ちたのか、 覚えていない。
どう、 這い上がったのかも 分からない。
直後でさえ、 記憶が 飛んでいた。
誰も 助けて くれなかった。
夢中だった。
覚えているのは 黄色いような 黄緑色のような、 明るく 漂う モヤモヤ。
そして、 匂い。
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③ 夢の中で 子供の頃の記憶が甦った 瞬間、 もうひとつ 気付いた。
先日、 このブログの 【アート】 コーナーで アップした、
エミリー・ウングワレー展 の文章。
あそこで書いた、 展覧会場に入ってすぐのところに 並んでいた 22枚の絵。
あの世界は、 「肥溜め」 の中の光景 そのものだ。
「肥溜め」 の記憶は、 黄緑色が 基調。
絵のほうは、 水色とかピンクとかもあって 色鮮やか。
けど 世界は まったく同じ。
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④ ここで、 はっきり 目覚めた。
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あの文章のタイトルが 『大地の夢』 。
遠い記憶を 感じさせてくれる 夢のような 展覧会。
香しき、 夢の夢!
ちょっと出来すぎた 冗談みたいだけど、 夢も 記憶も ウソではない。
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そんな夢の事を 書いちゃうと、 エミリー・ウングワレーの作品を、
汚らしいものと 感じさせてしまう かもしれない。
匂いまで 呼び起こす必要なんて、 ないのかもしれない。
だけど 夢見ちゃったんだから しょうがない。
思い出しちゃったんだから しょうがない。
オレ的には、 ただ ただ 感慨 深いだけ。
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もちろん エミリー・ウングワレー展を 落とし込めようなどという 意図は、
これっぽっちも ない。
とても 素晴らしい、 美しい 展覧会だった。
・・・ この世のものとは 思えないほど。
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やはり そうだ。
もう1人の オレは、 いや 本当の オレは ・・・ かもしれないが、
ヤツは、 10才の時に 死んだのだ。
今の世界は、 その子が 「肥溜め」 の中で 見ている 「夢」 なのだ。
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汚いものも、 臭いものも、 感動に 結びつく。
「美」 に 結びつく。
マクベスに登場する 魔女の言葉 だったっけ ・・・、
「綺麗は汚い 汚いは綺麗」
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オレは 『大地の夢』 のなかで、
「大地の広がりが消され、天地の意味付けが与えられている」
と、 書いた。
そう感じたはずの オレが 見た 最初の夢は、
空間的に 閉じこもった、 狭い 世界だった。
小さな 池の中。
上からの 光り。
明らかに、 縦の世界。
だが、 キリスト教的な 「天地」 とは ちょっと違っていた。
もう少し 混沌としている。
世界の意味が、 幾つも 重なっていた。
夢 ・ 記憶を通じて 、 横に 広がっていく。
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オレは 子供の頃から、 宗教的な意識が 薄い。
というより むしろ、 拒否して きた。
現時点でも 無宗教である。
とは言え この国で 生まれ育つあいだに、
仏教的 (?) な美意識は 染み付いている。
仏教を信じている と言う事ではなく ・・・。
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今考えると この夢、 「序破急」 の流れだ。
「能」 の台本を 作れるかもしれない。
① 序 ② 破 ③ 急 で、 ④ 退場 ・・・ かな?
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オレは 昔から 時々、 池の夢をみる。
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