史書から読み解く日本史

歴史に謎なんてない。全て史書に書いてある。

記紀神話:『日本書紀』に見る神生み

2019-10-30 | 記紀神話
『日本書紀』に見る三神以上ここまでは『古事記』を中心に見てきましたが、同書は意図的な加飾が歴史の本質を見え難くしているので、ここからは『日本書紀』に沿って読み進めてみたいと思います。まず『日本書紀』に記された神生み(第五段)について、本文から順を追って見て行くと次のようになります。『日本書紀』本文伊弉諾尊と伊弉冉尊が共に議して言うには、吾は已に大八島洲国と山川草木を生んだ、どうして天下に主たる者を . . . 本文を読む

記紀神話:黄泉めぐり

2019-10-27 | 記紀神話
火の神カグツチとイザナミの死『古事記』によると、続いてイザナギ・イザナミ両神は、鳥之石楠船神(とりのいはくすふねのかみ)を生みました。亦の名を天鳥船(あめのとりふね)と言います。次に大宜都比売神(おおげつひめのかみ)を生み、次に火之夜芸速男神(ひのやぎはやをのかみ)を生みました。亦の名を火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)と言い、亦の名を火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)と言います。トリノイハクスフ . . . 本文を読む

記紀神話:国生みから神生みまで

2019-10-17 | 記紀神話
『古事記』に見る神生み国を生み終えたイザナギ・イザナミ両神は、続いて諸々の神を生んで行きます。言わばここからは両祖神による神生みの神話へと移行する訳ですが、特に『古事記』では次々に出現する諸神がかなりの数に上るので、段階毎に整理しながら話を進めて行かないと読み解くのが難しくなります。また古くは四大文明を始めとして、世界各地の神話で同様の現象が見られるように、記紀神話でも祖先の史実を下敷きにした伝説 . . . 本文を読む

記紀神話:神世七代から国生みまで

2019-10-10 | 記紀神話
上古の神々記紀共に本文は皇室の祖先神を語るところから始めており、それは取りも直さず日本最古の神々に他なりません。『古事記』はまず天地が初めて開けた時に高天原に現れた神として、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱の神の名を挙げ、次に国の形がまだ朧気だった時に現れた神として、宇摩志阿斯訶備比古遅神、天之常立神の二柱の神の名を挙げ、この五柱の神を「別天つ神(ことあまつかみ)」つまり殊に別格の天神 . . . 本文を読む

記紀神話:古事記と日本書紀

2019-10-06 | 記紀神話
帝紀と旧辞続いて記紀神話を読み解いてみたいと思います。「記紀」とは言うまでもなく『古事記』と『日本書紀』を指し、どちらも奈良時代に成立した我が国の史書の原点であり、神話に始まるこの国の歴史を今に伝えます。記紀共にその原典となっているのは、両書以前に存在したとされる帝紀及び旧辞という史伝で、一般に帝紀は天皇の系譜や妻子の名前、在位中の主な業績、宮殿や陵墓の場所等を、旧辞は神話や様々な逸話等を伝えてい . . . 本文を読む