ネタバレ注意
平成20年2月号のアニメージュに磯監督のインタビューが載っているということで、私も超久しぶりにアニメージュを買って読みました。最初の構想(妄想)では、ラストシーンに10年後のシーンを描く予定だったとビックリ発言があって、さらにフミエは文学少女になっているというくだりがあり、それが今、コイルファンの間で物議を醸しています。
個人的には、ヤサコがフミエの忠告を聞かずイサコの救出に行って以来、ヤサコが遠い存在に感じられてしまい、それで自然と口数が少なくなったのではないかと思っています。それに人を好きになることで、生まれてはじめて自分という存在を客観的に見てしまったことも、無口な文学少女へと繋がったのではないでしょうか。
そんな事を妄想している時に、ふと流れてきた中島みゆきの「あの娘」という曲のイメージが、この頃(の前かな)のフミエに被ったので、曲にインスパイアされて古い空間的妄想小説を作ってみました。ダイチには某学園便利屋の本田高弘(誰も知らんか)のイメージもちょっと入っています。とにかく「妄想に勝てるのは妄想だけだ!」では、どうぞ。
中島みゆきの「あの娘」をご存じない方は、下のリンク先を参照してみてください。
http://ongakukan.music.coocan.jp/musicstudio/1-a/manoko.html
「あの娘」―中島みゆき(青春音楽館より) 注:MIDIで音が鳴ります。
タイトル「暗号名 あの娘」
中学生になって部活で大忙しのダイチ、そして恋愛を意識し始めたフミエ。幼なじみ以上の関係に発展できないまま、早くも3カ月が過ぎた。フミエはいつものように図書室で時間を潰して遅めの下校をする。そんな放課後の校門前・・・。
やさしい名前をつけたこは、愛されやすいというけれど・・・、ユウコやアイコ、京子とみんな可愛いらしくて優しい名前ばかり、このフミエっていう変な名前が悪いのかしら?でも変なくせにインパクトも無いし、そのうち私のことも忘れられてしまうのかな・・・。
そういえば最近ヤサコと会ってないなあ、あの娘、ハラケンよりもイサコに夢中だしなぁ、私には理解できないわねぇ。
「おう、フミエじゃんか。」
「あっ、ダイチ。今、部活が終わったの?」
「あぁ、また他の体育系のクラブから誘いが掛かってさ。無理やり体験入部させられてんだよ。」
「3つも掛け持ちするのは嫌だから、早いうちに断んなきゃ。」
「大変そうだけど、どこか嬉しそうじゃない?」
「そうかぁ。」
「あっ、ダイチ君。どうだった?ウチのクラブ面白かったでしょ?」
「おう、ヒロコ。」
「ねぇ、先輩もすごくダイチ君のことを気に入ってたわよ。」
「ちょ、ちょっとだけ考えさせてくれよ。なっ、ゴメン。」
「返事を待ってるからね、じゃ、あたしんちこっちだから。バイバイ。」
「ああ、バイバイ。」
「今の娘は?」
「あぁマネージャーの見習いなんだってさ。」
「名前で呼びあっててさ、変じゃ」
「そんなこと言われても、あっちも名前しか教えてくれないんだよ!」
「ふーん。」
「それより早く帰ろうぜ。他のクラブの人が来たら面倒臭ぇや。」
「うん。」
ピロピロピロ・・ピッ「ハイ、もしもし」「えっ、朝練?」「俺、寝ボスケだからさぁ。」
「分かった、行くから。で、何時だよ。えぇ?7時?で、新人は6時45分?」「分かったよ。じゃ」ピッ
「誰から?」
「卓球部のカズミさんだよ。積極的に誘って来るんで困るよ。」
「ふーん・・・。あっ、ダイチ、そういえばメガネは?」
「メガネを掛けてるとスポーツの邪魔なんだよ。だからもうウチに置きっ放しだ。」
「ところでねぇダイチ。ヤサコとイサコの話聞いた?」
「いや、知らねえな。」
「ほら、2人が転校して来た時に私が『ヤサコ』と『イサコ』ってあだ名を付けたじゃない。」
「実はそれよりもずっと前に、2人が同じ夢の中で同じ人に暗号っていう特別な名前で、それぞれ『ヤサコ』と『イサコ』っていう名前をもらってたんだって。」
「難しい事を言うなぁ。もっと分かりやすく言ってくれよ。」
「2人の夢と夢が繋がっていたってことよ。もう、こんなロマンチックな話が分かんないって、どうかしてるわよ。」
「興味ねー。」
「あーあ、私にも暗号が欲しいなぁ。」
「なんだよそれ。」
「2人の仲でしか伝わらない特別な名前よ。幼なじみなら一つくらいあってもいいじゃない。」
「そんなもんかぁ?それにお前の夢なんて見たこと無いぞ。」
「ねぇ、なんか考えてよ。」
「そうだなあ・・・、じゃあ『ブスエ』」
「バカ!(ドカッ)」
「痛ってーーー。って、お、おい。何を怒ったりしょげたり。」
「・・・・」
「そうか最近ヤサコと居・・(ゴホン)・・・。じゃ、明日までに考えとくから、なっ?」
「・・・うん。」
「絶対よ(ぼそっ)。」
「えっ?」
「絶対だからね。」
「あぁ、じゃな。」
「うん、バイバイ。」
終わり
話数:NO DATA
ネタ属性:妄想小説
キャラ:ダイチ,フミエ
バージョン:5.8 「あの娘」作詞/作曲:中島みゆき
1/25 追記
きなこ餅コミックのゆすら様より可愛らしい挿絵をいただきました。(多謝!)
お返事いただきありがとうございました。(ブログを拝見しました)
コイルもだんだんと人気が出てきて、いろんな人がブログで取り扱うようになってきましたね。ネットで検索すると、沢山の検索結果が出てきます。
私もさほど宣伝してないのですが(むしろ他の人の作品を見るのが好き)、こうして作品への感想をいただけると、やってて良かったなぁという嬉しさがこみ上げてきます。
コイルはネット上のイベントが多いのか少ないのかよく分かりませんが、もっともっといろんなイベントを企画してもらい、もっともっといろんな人と交流してみたいですね。
どうかjulianus様ももっともっと、コイルの応援をしてあげて下さいね。
そうそう、面白そうな(興味深い)ブログやサイトがあったら、ぜひ教えて下さい。
ではまた。
先日はブログに小説の感想を書き込んでいただいてありがとうございました。
ご指摘いただいた通り、以前こちらで書き込みをさせていただいた者です。確認のためあらためてご挨拶にあがりました。
コメントのお返事は私のブログのほうに書かせていただいたので、よろしければ参照ください。
それではまたm(_ _)m
初めまして(かな?)julianus様
楽しんでいただけたようで、とても嬉しく思います。
後から読み返すと、アレも付ければ良かった、こうすれば良かったなんてのが沢山出てきましたけど、私は要らんことをすると、一気につまらないものにする傾向があるので、あえてこのままにしています。
それからリンクで紹介している「青春音楽館」のサイトも是非見に行ってみてください。昔のゆったりとした音楽と館長の解説が最高ですよ。きっと妄想が膨らみまくります。
それでは、妄想の世界で申し訳無いのですが、大好きな電脳コイルを題材にした新作が出来ましたら、ぜひ、またお越し下さいね。
お返事どころか挿絵まですぐに描いていただけるなんて、感謝感激雨あられです。
思春期に入ったフミエの気持ちが絶妙に表現されていて、しかもかばってやりたくなるような可愛さも絵に凝縮されています。もう、なんちゅぅモンを描いてくれたんやーと、食べながら泣きそうですわ。
こちらこそ、ごちそうさまでした。
短編の妄想小説は他にも1品用意してますが、それは次回(ネタ切れ時)の講釈で。
http://yusurakinaco.blog92.fc2.com/blog-entry-110.html
大変おいしいダイフミでしたぞ。