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歴史教育の行方/修正、復古、捏造?

2008年09月22日 | 南北関係関連消息
微妙な問題に挑戦する。

日本の歴史教科書の問題で、中国、韓国が神経を尖らしている。しかしその当事者の韓国、中国で自国の歴史について熱い議論が巻き起こっている。
韓国では新政権発足直後に韓国の近・現代史を見直そうと国防部が、続いて「統一部」が、来年から教科書を書き換えるべきだと教育技術部を圧迫している。与党のハンナラ党も一旦は国会に出すつもりであったが、あまりの反応の大きさに矛を収めた格好!
何をどう見直そうとしているのか?
要は金大中、ノムヒョン大統領の時代に、あまりにも左傾、親北にぶれた教科書を元の「中道」に戻そうということだ。李承晩、朴チョンヒの評価、5.18光州事件、済州島民の4.3蜂起をどう評価するかに象徴されている。(具体例はパス)
「中道」、元に戻すといっているが、失われた10年以前のあの時代を復活させようという意図が、関係者の発言の節々に見え隠れする。パルゲンイと言えば良民を虐殺しても、事件を捏造してもまかり通っていた忌まわしい歴史に免罪符を与えようとしている。そしてまたしても彼らの、両大統領はパルゲンイ云々というヒソヒソ話が漏れてくる。
しかし、より由々しきことは国防部、統一部の提案の素案がすでに、ニューと頭につけてはいるが保守・右翼を自任するニューライト連合(2005年発足)で準備されていたことだ。(前回紹介)そして、その背後に青瓦台とハンナラ党が…、そして世論を誤導する体制べったりの朝・中・東までがあおっている。
民主化、統一に歩み始めた朝鮮半島が、これで一気に冷え込んだ。
韓国の状況を見ていると気分が沈む。明るいネタを探してはみるが、そして時々目につくがこの巨大な保守連合とどう向き合ってゆくべきか、気が重くなる。

北は北で終始一貫、主体思想に基づいた歴史教科書。僕は7.4共同声明の感動を今も憶えている。しかしすぐ始った1970年代、南の維新体制、北の唯一指導体制の強化競争に絶望した。組織にいた時でもあるし、特にあの4大原則には精神的にますます追い詰められ、結局は離れることになった。当時金日成を神格化、彼の言葉は絶対と教育された。そのための文学であり、歴史教育であった。そしてそれは、ほぼ終始一貫今も続いている?としたら、これが悠久の歴史を誇る朝鮮民族の歴史教育と言えるだろうか。

南と北の歴史教科書は、一部政治勢力、権威者の思想や理念、利益や都合によって其の都度書き換えるものであってはならない。朝鮮半島の統一と民族の繁栄、そしてアジアの平和に寄与するという観点、起点に立って、書かれるべきものと確信する。

中国の「東北工程」、ニューライト運動を凌ぐ規模で現在も進められている。北が自壊した時は、中国に組み入れ38度線を国境線に、もし統一したら難民を国境線で遮断し、国境問題を有利に交渉するための準備を着々と進めている。国内朝鮮族への本国からの精神的、経済的、血縁的つながりを遮断し、限りなく漢人に近い少数民族とすための新しい歴史教科書が近々中に教育現場に導入されるそうだ。ゆくゆくは朝鮮族自治区の廃止も日程にあるとも…。アメリカが衰退の一途をたどる中、世界に躍り出た中国が彼らの哲学である中華思想、華夷思想をかざして朝鮮半島を丸ごと飲み込もうと画策しているとしても、もう誰も驚かない。

このことに北はもう何も言えない、南は足もとにばかり目を向けている。中国ばかりでなく周辺の大国は虎視眈々朝鮮半島を狙っている。民族の長い歴史を振り返っても、このような国難があっただろうか。

教科書問題に関しての感想、行き過ぎた表現は平に容赦を!真意を酌んでくださることと願いつつ。(南より)







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