抗癌剤以外の薬剤による無顆粒球症についてのシステマティックレビュー
Ann Intern Med 2007; 146: 657-665
980例の抗癌剤以外の薬剤による無顆粒球症 (agranulocytosis) の症例報告のうち、確診は 56例 (6%)、疑い (probable) は 436例 (44%)、可能性あり (possible) 481例 (49%)、否定 (unlikely) 6例 (1%) だった。
無顆粒球症の確診または疑いの原因とされた薬物は 125種類あった。10例以上の報告があった薬剤としては、カルビマゾール (メチマゾールのプロドラッグ) 、クロザピン (非定型向精神薬)、ダプソン (抗菌薬、商品名はレクチゾール)、ジピロン (消炎鎮痛薬、無顆粒球症との関連が指摘されたため日本では販売中止)、メチマゾール、ペニシリンG、プロカインアミド、プロピルチオウラシル、リツキシマブ、サルファサラジン、チクロピジンがあった。これらの薬剤は確診または疑い例の原因薬剤の 50%以上を占めていた。
死亡例の割合は 1966年から 2006年の間に低下していた。好中球の底値が 100 /μL 未満の場合は、100 /μL を越える場合に比べて死亡率が高かった (10% V.S. 3%, P 0.001未満)。
G-CSF を投与した場合、好中球減少の期間が 1日短縮した (8日 V.S. 9日, P = 0.015)。また、診断時に無症状だった患者については、感染または死亡の割合が G-CSF を投与した患者の方がしなかった患者よりも少なかった (14% V.S. 29%, P = 0.03)。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17470834/