ダイキャスト情報室

鋳造品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

ダイキャスト部品の錆び

2023-02-06 | DieCast

 ある製品のダイキャスト部品で金型図の検討依頼を受けた。図面(3D)を見たところパーティングとゲートさらに押出ピンのことは全く考慮されていない。ここまではいつものこと。さらにアルミ材料を確認すると「?」と疑問が発生した。この使い方(吸湿と汗)の製品では、耐食性を対策しておかないと問題になるんじゃないかい。私に依頼をくれたところが打合せしたところ、やはり試作で腐食の問題があきらかになったようだった。しかしそこからの対応策がまた「?」。塗装と表面処理だけを最適なものに選定できれば解決すると判断したようで(たしかに最近は優れた塗装があるみたいですが)、そうするとDC素材には厳しい品質要求が来ることになる。多分、解決できないんじゃねー。しかし、企画を打ち上げたところで、この懸念を口にする人は居なかったのかねー。材料を耐食アルミで選定して製品設計もしておけば可能性は有ったかもだが、鋳造をしてくれるところがないか。優れた塗装と表面処理技術が見つかるように祈っています。仏教徒なので、仏様---。

追記:それほど心配することもなく、日本製の塗料で良いものが見つかりそうです。

 


ボルト締め付け部の設計

2022-12-29 | DieCast

ねじを使った部品の取り付けでは、昔からねじの緩みや部品の脱落が問題になり事故にまで至った例もあります。最近では大型トラック左後輪が緩んで脱落という事故がありました。これもいかがな設計かと思います。

可動側になる部分にパッキン押えの突起があるため可動側にピンが設定できずに固定側にしたと思われ、バカ穴になる部分の抜け勾配を非常に大きくして対策にしています。ここで問題になるのがボルト側の座面が減少することです。この座面が少なくなるとアルミなどのダイカスト用材料では座屈(座面陥没)の可能性があり座屈が発生するとボルト締め付け力が失われて緩みが始まることになります。私も30年ほど前に、座面が陥没してボルトが緩み固定されていた部品がグラグラし始めたという事例を知っています。

ワッシャを使うとか、穴にドリル加工を入れるとか、何らかの対策を織り込んでおくことを勧めます。


DC展示会風景 2022

2022-11-13 | DieCast

DC展示会にて私がバイトしていたブースを訪れてくれた皆様、ありがとうございました。

お礼代わりに、ミナトミライ駅近くの画像を挙げておきます。

さて、ランナーの断面にR付けがされていないと五月蠅く言っているのですが、その説明を管路入口形状に対するゼータ値の表(流れの教科書にはほぼ載っている)から数字を較べて説明しています。これは(ものづくりweb)より無断借用-

https://d-engineer.com/fluid/asson.html

先の説明に、プラントエンジニアのToshiさんの画像、例により無断借用リンク

https://yuruyuru-plantengineer.com/about-plantengineering/    

画像を使わせていただきました。

こんなところからもカドに丸みを付けることが重要とわかってもらえますよね。実質的な径は狭くなっているということですよね。

こんな画像もありました。株式会社IBLC社よりお借りしてます。

ランナーも同じことですよね。

少し長くなってしまいましたが、チルベントに真空ポートを付けてある場合も、真空コンダクタンスを意識して穴の入り口周辺にはR付けをしてコンダクタンスの向上をはかり金型内の真空度が上がるようにしたほうがいいよという話からこの稿が出ました。とはいえチルベント部の抵抗が大きいので、なかなか真空の効果を発揮するのは難しいところがありますがね。と追記。


2022 日本ダイカスト展示会

2022-10-10 | DieCast

11月10~12日(木・金・土)に、横浜で開催される「2022 日本ダイカスト展示会」。久しぶりに開催されますが、今回は真空バルブとチルベントを扱う企業(Japan Mold Trade)から応援を依頼されて説明員として10~11日を会場に詰めます。 ブースの場所は入口から会場に向かって左側の壁際G-15に居ます。お立ち寄りください。雑談歓迎です。「つついは居るか?」と聞いてください。



独り言

2022-10-06 | DieCast

今日も金型内の排気に注力するよりも、大きなオーバーフローを設定すれば、物事すべてうまくいくという考え方をする人に会った。この業界は進歩がない。そこ(打合せの場)に出された鋳造見本は、失礼ながら私なら人前に出さないレベルのものだった。

別の日 金型PL面へのバリ対策について相談を受けたのですが、解決は難しそうです。なぜならダイキャスター・鋳造メーカーの担当さんが、今(打合中の)話題にしているダイキャストマシンの鋳造圧力(メタル圧)をおよそでもいいから認識していると思っていたら、まったく数字を把握していないんです。私はあらかじめ資料を見ていて、標準チップなら最大113.5N、現在使用しているΦ60では、最大155Nになっていることを知っていました。

追記 今までパソコンからブログを挙げていたのですが、スマホからも編集出来るようにしたところ、pcで見える画像がスマホでは見えないことに気付きました。この先少しずつ改善します。この画像は誘導電動機の回転子の鋳造方案を変更したらアンバランス量がこれ程変化しましたというグラフです。