時々取引がある会社(X社)は、冷却の流量調整の為のバルブを冷却経路の上流側に設置している。判断力のある会社は、下流に設置していると思うがいくつかの問題点を指摘しておいた。
1) 沸騰状態になりやすいため、熱が冷媒に移動することが出来なくなる。つまり冷えない。
2) 沸騰が起きていなくても圧力が低下しているため冷却経路の中に空気が残った状態が起きる。自動車の冷却系は、必ず圧力を高くしてあらかじめエア抜きをしますよね。(部分的な高温部分が出来るかもね。)
このような指摘をしておいたのですが、直ぐ変更できないようです。このためこの企業からの金型は、冷却経路を多めにしてくれと言う注文が多く、こちらから見ると「そんなに冷却すると溶湯がゲートに届く前に固まってしまうだろーに」と言いたくなることが多いです。
この問題の原因は、ダイキャストマシンメーカーが鋳造機にあらかじめ弁付きの給水回路を設置してあるからみたいです。(toyoのカタログを見ていて気付いた)これが原因で上流側を絞ってしまったんだ。ぜひ下流側で調整することをお勧めします。
更にオーバーフローの体積と設置個数についても、「そんなに付けるの?」,「そんなに深くするの?」ということが多くそのためまた冷却経路が増えてしまうということが良くあります。この話はどこかで聞いた話ですね。オーストラリア式ランナーのMurrayさんの論文にもありました。 巨大化症候群です。
以下 追記
2016.11.24~26のDC展で判明したことは、DCマシンメーカーが水冷のためのコックを配管に付けているため、多くのDC工場で、冷却系の上流でコック(流量調整弁ではない)を閉めて流量を調整していることが分かった。一部の理解している企業は、下流で流量を調整しDCマシンのコック(上流側)はon-offバルブとして使用している。一方この部分を理解していない現場では今日も、冷却穴内部で水が壁と充分に接触していないため、冷却が効かないと嘆いている。
その後 流量と供給圧力の関係を測定してみたところ、圧力が半分程度に下がると流量は半分以下になってしまうことを確認できた。