「親の考え方を無理してでも変えて、子供を応援すること」
…ある母親の言葉より
「親と子の関係が引きこもりや不登校に与える影響はかなり大きい。」、という話は勉強会に参加される親御さんの中からよく出てきます。
当然の様であり、意外に当然でなかったりします。
勉強会でよく話題になること
・親子でコミュニケーションができていないが、どうしていいかわからない。
(だが、なんとか子供の本音、変化を知りたい)
・子を誉めたことがないし、誉めることができない。
・親を信用していないので何を言っても無反応である。
・成功してきた私(親)の考え方をなんとか教えたい。
それを知れば我が子は自分と似ているので楽になるはずだ。
等々、なのですが、これ等を解決する根本的な方法は話し合っているだけでは堂々巡りとなり、見つからないですよね。
傷の舐め合いになりかねません。
まずその前に、親は、
「子供は、けっして病気でもなければ問題児なのでもないのだ。」
と知り、そして、
その行動の裏に隠れている無言の苦しみ
を理解しなければなりません。
(注:時には本当に病気である場合もあるでしょうが、…。)
したがって、その子供の苦しみを理解しないまま、子供の意を聞かず、対症療法的だと思いますが、
「先走って過干渉になったり、過保護になったりすること、無理に病院に連れていくこと」
は百害あって一利なしと言わざるをえません。
まず、子を安心させること、
すなわち
「大丈夫だよ。今のままで大丈夫。」
と伝えることが大事なように考えます。
親は心の中で、世間一般と我が子を比較して焦りや出遅れたことに対する葛藤があったとしても、まずはジッと我慢することが大切なのではないでしょうか?
そして、我慢することだけでなく、自分の生き方(特に過去の自分の親との関係)を見つめなおしてみたらどうでしょうか?
子は親の鏡なのですから。
ある時、勉強会で、我が子のひきこもりを経験し今では立派に自立されたお子さんをもつ母親が問題を抱えている親御さんに言いました。
「親の考え方を無理してでも変えて、子供を応援すること」
これは至言だと思いました。
子よりも先に、まず自分を変えて欲しい
と思います。
これは、単なる思考上での精神論では解決しません。
もっと親が具体的に目に見える行動をすることです。
「人生は楽しい、この世はいいところだ。」
と思えるように、日ごろの生活態度や行動で自ら手本となっていただきたいと思います。
(これには色々な方法があると思いますが、勉強会で教えますよ。)
よく、「もう私は歳だから考え方、生き方を変えられない」という親御さんがいますが、それは「絶対に変えたくない」という言い訳に過ぎないのだと、コンサルのY先生は勉強会で言いましたね。
私もそう思います。
平成17年に今の皇太子殿下が東宮御所での誕生日会見で、敬宮愛子様の今後の養育方針を聞かれた際にある詩(家庭教育学者ドロシー・ロー・ノルト作)の一部を朗読しました。
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「子ども」
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨(うらや)んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉(ほ)めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世はいいところだと思えるようになる
(石井千春 訳)
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なかなか、素晴らしい詩ですね。
今の状況をしっかりと受け止め、
「私達が産んだ愛する子なのだから絶対に大丈夫!。必ず良くなる。」
と信じることが大事ですよね。
(以上、会長こと、バカボンのパパのメモより)