20thシングル:LOVE COMES QUICKLY~霧の都の異邦人~に引き続き公式カバーソングである。
14thアルバム:PASTICHEにも6曲目に収録されており、曲順の配列的にアナログ(LP盤)では、Side-Bの先頭にくるところから、前述曲同様の比重が高く掲げられていると考えられる。
その後リリースされた石川秀美史上初の12inchシングルにも収録されている。
原曲を歌っているのはSTEPHEN DUFFY。
現役のアーティストである。残念ながら個人的にはよく知らない英国シンガーで、80年代に活躍したDURAN DURANの1stメンバー、脱退後別バンド・ソロ活動という系譜を持つ。
ちなみにDURAN DURANに至っては説明不要な80年代~現在も大活躍中のバンドである。
俺が初めてコンサートに行ったのが大阪城ホールであった1985年。当時、栄華を誇った英国POPバンド全盛期。
その時に「THE CULTURE CLUB/THE STYLE COUNCIL/DURAN DURAN/GO WEST-rock in japan'85-tour」と称したワールドツアーの日本公演に行った夏休みの日のコンサートを思い出す。
STEPHEN DUFFY:They Called Him Tintin
このベストアルバムに原曲が収録されています。MTVも存在。
ひたすら当時の英国POPサウンドである。ネオ・ロマンティックなヴィジュアル、テーマな視聴効果もありで妖艶なMaleボーカルである。
石川秀美バージョンとの違いは、シンセサイザーフレーズがあり、ユーロビート調なアレンジでもある。
残念ながら、本当に当時この人はノーマークだったので、この原曲の影響が音楽史にいかほど残したかは定かではないが、当時のユーロポップの全てが見えてくる。
他のアーティストと共に共通する当時のアレンジ。また米国ではなく、英国ならではのセンス。
日本人には受けがよいユーロメロディ。現在においてもそのセンスは変ってない事が多い。
さて、石川秀美バージョン。
原曲に比べて、ドラムリズムが印象深く、ユーロ感は薄く、シンプルなベースとEギター音が主軸を担っている。
それだけに他の曲とのバランスもよく、バンド系ロック演奏アレンジである。
アルバム中1番シンプルな曲ではないだろうか?!
非常に心地よい音の展開である。
歌詞については作詞家:森雪之丞らしくない、まったく普通でありがちなアイドルポップス世界観。
リズムがたんたんとしたメジャー調なため、イキイキとしたボーカルスタイルで曲の表現と共に石川秀美のボーカルも輝いている。
時折魅せる、半音階の濁音歌唱法が艶やかな大人の歌手へのステップとしている。
この手のリズムの完成形は、後の23thシングル:素敵な勇気につながるロッカバラード調での唸りが物語っている。
ビデオ:偏西風では犬や馬とのふれあい、そして英国らしい木立のある公園を颯爽と乗りこなす石川秀美。
乗馬上手ですよ。けっこう駆け足の馬。森の小道を走る姿は超神秘的。
原曲が洋楽なだけに、また、アレンジもシンプルかつ完璧という点からして曲の完成度は高い。
アルバム中では、アップテンポな曲の方が印象深く感じる点が、この曲の少しもったいないところ。
何かしらでそれ以上の出来栄えをして欲しかったところである。
ただ、曲単体として考察すると、20thシングル:LOVE COMES QUICKLY~霧の都の異邦人~より掴みやすく、一般的に分かりやすい曲なので、
この曲をシングル曲とした方が良かったのではないだろうか。
アルバムの配列順、12inchシングル収録の点から推していた感が感じとれるため、シングル曲候補として考えられていたのではないか?と思ったりするのだが・・・
今月のこの曲の解説を書くにあたり、舞い込んできたニュースがあった。
「石川秀美 第5子 女児出産」である。
非常に御目出度い祝いなニュースと、共にこの曲とかぶせ合わせていた。
♪I LOVE YOU~瞳の言葉~
まさに、心よりお喜び申し上げます。
あと、たまに「秀美」と勝手に呼び捨てになるかもしれないのでよろしくお願いします。
表では明菜ファンですが、裏では秀美ファンなので、よろしくおねがいします。