実はこの曲は長年とても苦手だったんですが、改めて聴くとちょっと面白い曲である。
どことなくヨーロピアンサウンド。後期の石川秀美の14thアルバム:PASTICHEや20thアルバム:PRECIOUSの前身を彷彿させます。
この曲が収録された10thアルバム:Happeningがオーストラリアを意識したからか、音楽世界と豪州欧州文化の表現世界というところだろうか。
イメージビデオ:SOUTHERN CROSS WINDにも収録されており、
Aussie Girl石川秀美の乗馬風景、オーバーオールを着て羊の遊牧や毛刈り等のオーストラリアのシーンを展開。
髪型がいつもと少し違った遊び感のあるゆるい毛先パーマ、オーバーオール姿というのもテレビではほとんど観たことがないので新鮮な秀美ちゃんですね。
乗馬も羊毛刈りも、なんなく上手な点は天性の運動神経の持ち主だからであろうか。
曲の歌詞に関しては1985年の戦略イメージを踏襲した色っぽく大人っぽくなった石川秀美を反映。
ぐいぐいと告白する歌詞世界。てか、なんかそこがクドくて俺にはずっとダメだったんですよ、この曲ってwノリノリUPテンポでもないし。
まぁエゴイストな恋というタイトルだけに、仕方がない。
しかしですね、リアルタイムで購入した初アルバムである11thアルバム:MARINE BLUEにて「ファンの投票によるベストアルバム」にも収録されていたので、
別のナニカで人気があったのかと、ずっと疑問な曲であった。
近年、Sea Loves You石川秀美ファンサイトをやるにあたり、作品を客観的に感じる事を心がけ気付いたのが、
アレンジがシンプルな中にGrooveに富んでいるのである。
アルバム中、他の曲がメロディアスな歌唱楽譜に対し、今曲はメロディアスな歌唱フレーズは少ないし、スピーディでもない。
この点が苦手であったろうとされる自分の見解だったんだが、音作りはとても秀逸。
楽しそうに踊るピアノの旋律とコードに乗るベース音。単調なリズムながらも石川秀美の艶っぽい歌声をFeatureした歌詞振りと個性的な歌唱法。
特にBridge以降のアレンジの遊び感は最高。なんか鬼気迫る怪しい雰囲気が意味不明で変なんだけど、グッとくる。
吠えるようなベース音入れもイイですね。
アレンジに負けない自分のカラーを打ち出した石川秀美のボーカル力も冴えている。
ん?でもこの曲って・・・これを彷彿させる。
80年代の名ドイツ曲から、全世界へ大ヒットした(1983-1984年)曲である。
確かにインスパイアされ生まれ変わったと言っても過言ではないだろう。
言うならもう少しテンポをあげて怪しい感じを流れるようにしてもらいたかったとこである。
今秋、作曲者加藤和彦さんの悲報がありましたね。秀美ちゃんにはこの♪恋はエゴイスト以外にも
♪あなたとハプニング(14thシングル:Side_A)
♪しあわせが半分だけ(10thアルバム:Happening)
♪振られた気分(16thシングル:Side_B)
♪今・愛になる(12thアルバム:i)
など石川秀美の中期に上記の曲を提供した作曲家であった。
作詞・作曲ゴールデンコンビの安井かずみ&加藤和彦さん
ご冥福をお祈りいたします。
また、ドラマ「40年目の恋」で秀美ちゃんと共演し、その後に舞台「星降る里」で秀美ちゃんを呼んでくれた森繁久彌さんの悲報も先日流れました。
重ねてご冥福をお祈りいたします。
2001年に作った自作の石川秀美メドレー曲の中にも転調時のMIX音にこの曲のイントロを使用しました。
洋楽風な完成度であり、歌謡曲というよりREMIX的なアレンジが施されている(とはいえ、80年代前期な)REMIXする曲には最適な楽曲である。
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