CD、レコードを見ても編曲家のクレジットが「鈴木・」としか書かれてなくて残念。
恐らく鈴木博文だと思うのだが。いかに。茂か、キサブローか、まさかの慶一か。
さて、この曲ダウンテンポなんだが、いやにかっこいい。
作曲家はデビュー年から縁深く言うまでもない小田裕一郎。
今曲では案外、彼作品の中では意外な出来上がりという印象を持つ。
作詞の園部和範は前アルバムである、7thアルバム:SUMMER BREEZEでもクールな世界観な曲となった
♪微熱・サマーコールド
以来である。園部&小田タッグの2曲目である点も興味深い。より大人っぽく仕上がっている。
アルバムタイトルであるキーワードが入っており、8thアルバム:SECRETのテーマが1番濃厚である。
ジャケットともにミステリアス、また、12thシングル:ミステリー・ウーマンの世界観の増幅。
曲順構成にいたっても、アルバム中、ミディアムメジャー調な前曲から一転、今曲にてマイナー調になり、
次曲がメロディアスなマイナー調曲のミステリー・ウーマンという流れもイイ。
じっくりながらもメロディアスに流れていく。シンプルかつタイトにかっこよい、この流れ。
特筆すべきは、アレンジの鋼鉄サウンドも洋楽っぽくて良い。80年代末期のブラックコンテンポラリー曲のようだ。
ちょっとロック色の方が強いので、どちらかといえば、ニューミュージック系サウンドのほうが大きくムーンライダーズ色である。
Carnationなんかハマルと思うほどの完成度。
Bridgeやら3Chorusがないあたりのニューミュージック系の譜面など、アイドル全盛期の石川秀美が早くも、次の新天地に飛び立つ様を感じる。
ベースの動きが前面にあり、Eギターの唸りと、2Verse移行時のEギターの咆えるあたりの音使いもイイ。
ちょっとしたミステリーアトラクションのBGMのようでもある。
また、後年に登場のスケバン刑事シリーズのサウンドトラックBGMを彷彿する。
シンプルなコード進行と、まったりしたリズム。Groovyに妖艶に。
石川秀美のじっくり落ち着いた歌唱がストーリーテラーのように物語を綴る。
随分と歌い方の技巧も多用しており、かわいさに大人っぽさが加味されたボーカルを効かす石川秀美である。
個人的に石川秀美のこの路線のアルバム曲が結構好きで、
15thアルバム:Blanche ♪クリスティーの恋
19thアルバム:Praivate nude ♪アフロディーテの罠
なんて、今曲:サレンダーの踏襲路線でありCool&Beautyである。
1984年の曲ながら、邦楽・洋楽よりもアヴァンギャルドな感性のこの曲。
今回改めて聴いてみたんだが、アイドル石川秀美のアルバム集、アーティスト石川秀美のアルバム集にわけたとして、
後期に多く発表したアーティスト石川秀美のアルバムと肩を並べるほど完成度の高い8thアルバム:SECRETと言える。
1985Happening~1986Pasticheまでのアルバムをごっそり抜きんでて、Blanche-Sur-Private nude-Preciousの流れの先陣を行くのがこのアルバム。
2011年8月も本日で終幕。
満喫した夏の思い出と一緒に聴き、秋に備えた心の準備を緩やかにしたくなる1曲である。
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