スターデイト

前年度にリリースされた冬のアルバム：SEMI SWEETの♪窓辺はフルムーンをより大人にかえた、ロッカバラード調なこの楽曲。

どちらも世界観は宇宙的であるのだが、こちらの曲の方がいくぶん、壮大感が溢れる。

そして、ボーカル力にも明確に「余裕」が生まれ、より大人っぽく、より自然に、より上手な歌手としての歌唱を聴かせてくれる。
また、それは安堵感さえも感じるほど安定した歌唱であることも特筆すべき点である。
どこかしら、後年のシングル：素敵な勇気をも彷彿させる。
前述の♪窓辺はフルムーンと同様に、Side-Aの最終を飾る順に位置している。

作家陣としても
作詞：鈴木博文
作曲：大貫妙子
編曲：清水信之
と、豪華にニューミュージック系のラインナップを起用している。

特に作詞に関しては可もなく、不可もなくという感があり、曲メロディーに関しても、「大貫妙子」と言われなければわからないようなものであって、
大貫節っていうのはＡメロでなんとなく感じるが（どことなく無機質）、Bメロからサビへと盛り上がっていく進行と、サビの展開では秀美節が炸裂であるｗ

ただ、いっぱいいっぱいの限界近い音域ではなく、石川秀美の中高音のイイ声を活かした曲メロディーという点もあるため、大貫氏は石川秀美のイイ歌唱部分を楽譜に計算して作ったのかもしれない、とも思える。

既にこの頃にはメリハリを効かせた歌唱法の石川秀美であるが、その特徴をまた、活かしたのはアレンジの清水氏であろう。
ところどころに、アイドルとする音使いがあるけれど、基本はシンプルかつ、タイトにしあげてる点などはアイドル歌手から、アイドルという冠をとるべく歌唱の進化を遂げているため、退屈になりがちな地味（さりげなく自然な、とも言えるが）なアレンジも、歌唱によりガッチリした手堅い作りを感じるのである。

エンディングのフェードアウトも、さりげないのだが、あまりにさりげない感じで、印象的に耳に残らない楽曲になってしまっている希薄さがもったいない。

この曲もまた、”ファンが選んだベストアルバム：MARINE　BLUE”にも収録されている。

個人的な思い出として・・・
オリジナルアルバム：SECRETをリアルタイムで購入できず、アルバム：MARINE BLUEより購入できたので、この曲♪スターデイトも、冬の夜空というよりかは、
現在の季節感のような夏の夜空もしくは、宇宙空間を想像させる。