朝にさよなら

MOONRIDERSによる作家陣で作られた曲。バックのところどころにあるMen's Chorusがまた、なにげなくイイ味を出しています。
とても上品に出来ている曲。アレンジがすごく冴えてる曲。ほんと一つ一つの音の調和がとれていて、シングル：ミステリーウーマンのＢ面の飛行と同じ手法。
リズムは規則正しくあり、じっくり淡々と聴かせる。

歌唱もじっくり歌っていて、重くもなくほんとうに情緒豊かに歌っていて、退屈させない。
退屈になりがちなメロディも、石川秀美の艶が出てきた歌声が随所にあり、非常に気持ちがよい音を発しているのである。
独特の唸り歌唱もこの曲ではないので、シングルのみだけで聴くと、良い意味でのあるアクのある歌唱法を持っている石川秀美であるが、ちゃんと曲により硬軟を使い分けた歌唱をもった歌手である事が証明される。

曲構成が面白く、最後にサビではなくＡメロが重複されている。これがまた、しつこくなく感じがいいのはやはり、MOONRIDERSのセンスなのであろう。

個人的には曲の後半に出てくるWhisper Voiceがちょうど良く出ていて、更に歌唱力の幅を広げている点が好ましい。
これも前々回の選出した雨ソング的ではあるのだけれど、曲の感じからいくと雨あがりのちょっと安心した世界観。
「雨あがったね、よかったぁ」というような感じで、これまた清々しい。

このアルバムでは、リードシングルのミステリーウーマンに表されるようなハードな面を強化したものだけれど、やはり石川秀美像である「爽やかさ」があり、それがこの曲にも反映されている。

なかなかこの歌詞の世界観は後にも先にも石川秀美曲の中では珍しい。
曲のタイトルからして、どういう曲なのかは分かりにくいのだが、なかなか心情は晴れやかに、と思い聞かせて新しく生きようとする前向きな曲である。
どこかせつない印象もあるのだけれど、新しい生き方への希望が比重が大きいと思われる。
まさに雨あがりの晴れって感じだろう。否、だからといって、重く苦しい悲恋からの脱皮でもなく、美しく楽しい思い出を持ちながら、感謝とさようならを持ってこっそりと・・・話あったかどうかは定かではない。
て、おい！起きたらびっくりするだろ！男が！と言いたくなりますがｗ
後で電話かかってきて、メンドクサイ話をするのだろうか？ちゃんと終わりを理解しあったのか？どうなのかはわかりません。

個人的言うと、キレイな思い出をありがとう、そしてさよなら、新しく自分の道を照らすべく歩きます、というのは別れ方の理想系である。
そうそう、♪重いコートは脱いで新しい～♪とこの頃のライブ:BURN UP HIDEMIで歌った曲♪FARWELL CALL（ビデオのみに収録）、と同じ気持ちを抱く。

Positveな心意気と、上品に爽やかな曲の感じがとても好ましい一曲。