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「ゆきりんの報告」
「はたらき協議会」開催後間なしに 「ゆきりん」からの報告が入ってきた
通常 私達の連携は 各々の内面を通じて
言葉や画像・動画 文書も含め あらゆる通信を行っている
しかしそれは あくまで各々の間でのやり取りに限る
今回 「協議会・開催中」についてのみ 会場に設置したPCを通じて行い
参加している全ての「生き物」の間で 共有できる”しくみ”となっている
こうする事で 臨場感ある”やり取り”が可能となるのである
司会・生き物 「Hey!ゆきりん、ぽち、Hiたかお君とえびすの状況を伝えてもらえるかな? 君が今見ている画像がこちらでも見えるようにしてあるから、ざっと見まわしてくれるとこちらの皆はとてもラッキーだよ!」
ゆきりん 「うん、わかった。 ほら、たかおくんは点滅したまんま。(Hiたかおが点滅しながら横たわるLive画像・笑声・歓声) で、まだ”おしゃべり”はできないよ。死んでるみたいに寝てるから。あたしとぽちと子供たちは「1号」から「なないろに戻ろう」って連絡があって、ちょっと前に「なないろ」に着いたところよ。カイさんとヘビと一緒よ。」
司会・生き物 「OK!了解!!でもゆきりん、今の「なないろ」は危険じゃないか? サソリたちがまた襲って来るかも知れないよ?」
ゆきりん 「うん、おなじ事を、カイさんも言ってたわ。でも、だいじょうぶだって、1号が・・・・ええっと・・・1号が・・・。 ねえ、ぽち、1号が何んて言ってたっけ??」
ぽち 「おおおお、追われてるのは・・のは、おおおれたちじゃなくて、ささ・サソリだから・・って言ってたよ!!ししんぱいないって。」
司会・生き物 「なるほど!それは、サソリが警察に追われてるって事?? でも それなら先の襲撃の時も、サソリ達は警察に追われてる最中の事だったんだから、今も安全とは言えないんじゃないの??」
ゆきりん 「んんんん・・・・それは・・ねえ、ぽち、1号は何っていってたっけ??う~ん、何っていってたっけ・・・・」
ぽち 「う~ん・・・・。う~ん・・ななな何んだっけ・・たたたかおくんなら、たかおくんなら・・ちゃんと覚えてるんだけど・・」
ゆきりん 「あっ!!そうよ!!そうそう!!”サカナ”って人が何んだかっていってたわ!!」
司会・生き物 「??”サカナ”って人??それは、何?」
ゆきりん 「思いだしたっ!!暴走族の”親玉”よ!!その人。 たぶん、怖い人・・。そらくんの昔のお友達のパパよ。 そう、1号と話してたの!!その人がサソリを”シマツ”するって!!いやね・・やくざって!!あたし、大っキライ!!そういえば、そらくんも「なないろ」に向かってるみたいよ!!「ネコ」と一緒に。そらくん、携帯が繋がらないから、「カイさん」がずっと「ネコ」と連絡を取り合ってるわ。たぶんそらくん、携帯 落としちゃったのよ。サソリがイヤな事いうから、すごく怒って・・・・」
司会・生き物 「Thank You!!ゆきりん!!ざっと状況はわかったよ!ありがとう!じゃあ、また新しい事がわかったら連絡待ってるね~!!あと、たかおくんが回復するようだったら、連絡するように伝えてね!」
ゆきりん 「は~い!!」
国道163号線の昼過ぎ
交野・寝屋川方面から大阪方面へむけて
派手なマフラー音が響き渡った
重く空気を裂いて走るような 大型バイクならではの重厚なマフラー音は
疾走する「ネコ」のバイクだ
「そら」を乗せた「ネコ」は 「サソリ」達暴漢の追跡をかわした事がゴキゲンだ
一方 後ろに乗った「そら」はちょっと複雑だった
「サソリ」の放った言葉・・・・ 「◎◎◎」 「役立たず」
そしてその直後の 思い続けていた”彼”との出会い
ただ「そら」はこんな時でも 簡単にその場の空気に流される
疾走しながらの「ネコ」の大声は あまりにゴキゲンで
「そら」の中で巻き起こっている 整理のつかない想いを
吹き飛ばす勢いで その勢いに流されて 何んら問題がないのだ
疾走しながらの 二人の大声での会話は
道行く人々を振り向かせる ”楽しげな怒鳴りあい”の様だ
「ネコ」は20代で 「そら」はもうすぐ15歳
まだ若い二人の勢いを 豪快なマフラー音が代弁するように響き渡る
「1号からメールがきたぞ!!」と「ネコ」。 「何んてぇ??」と身を乗り出して「そら」。 「おまえの携帯にも来てるやろ? 1号からのメール!!”なないろに帰ろう”ってメール!!」。 「おれの携帯は・・おれの携帯は・・・えっと、たぶん、落とした!!」。 「あほかっ!!落としたらあかんがな!!」。 「あかん、とか言われても、あれへんから・・・・たぶん、落としたっ!!」。 「しゃないなあ!!取りあえずつかまれ!!飛ばすぞ!!」。 「OK!!飛ばせ飛ばせ~!!」。 「はっはっは!!200?で行っとこか(笑)!!!」。 「しょぼい!しょぼい!!500?くらい出しとけ~!!」 。 「あほかっ(笑)!!」。
「な、ネコ、おまえの携帯かしてくれへん??」。「何?何すんねん?」。 「うん、おれの携帯に電話してみる!!だれか拾ってるかもしらんやろ?」。 「あっ!なるほどな!!でも、拾ってても、かかってきた電話には出んかもな、それに、電池、残ってるかな?」。 かなりのスピードで走りながら携帯をまさぐり出し、「そら」に渡すのには、ちょっと危険なスピードのままの「ネコ」。 「とりあえず、やってみ!」。
Pu・・Pu・・Pu・・・Pururu・・・「あ、つながった!!」。 Pururu Pururu Pururu
「・・・・・あかんなぁ!!あかん あかん!取れへんわ」。 「やっぱ、あかんか!!ほんなら、もし、誰かが拾ってくれてるとして、メールとか送ってみたらどう?見ぃひんかな?」。 「あっ!!さっすがネコ!!なかなかのわるだくみやな!!」。 「わるだくみとちゃうがな(笑)。取りあえず、タイトルの所に”この電話を拾ってくれた人へ”とか書いたら、ひょっとして見るかもな!!」。 「OK!!」。
二人はそんな大声でのやり取りをしながら、間もなく「なないろ」に到着しようとしていた。 この日、二人が走り抜けた163号線は、いつもと違う”不穏な空気に満ちていた。 特に大阪市内に入ると、その異常さは際立っていたが、疾走する二人はまったく気づかなかった。 163号線に通じるあちこちの側道から、あわてた様子の何台ものパトカーが京橋方面へ向かっている。 明らかにスピード違反の「ネコ」のバイクにも目もくれずに。 京橋駅前で、大きな事件が起こっていたのだ。
おれのけいたいおもってる
”さいもと”てかいてある
はんかちの
おれのしらない人へ
「ネコ」てゆうおれのなかま
のやつのけいたいから
おれがおれのでんわに
めーるです
おれわ「そら」ていいます
はんかちお かやしたいので
それとちよとだけ”おはなし”とか
あんたとしたいです
このでんわに
でんわおください
そら
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