2月23日(土)13時30分~本願寺鹿児島別院において「廃仏毀釈を考える公開講演会」(第2回)~明治維新政府の宗教政策と本願寺教団の動向~が開催されました。
「受付」「オリエンテーション」「開会式」の後に、事前に配布された資料により、講師:かくれ念仏顕彰委員会顧問 星野 元貞 氏による講演が始まりましたので講演の一部を紹介します。
【講演の概要】〇はじめに・・江戸時代から明治への転換期におこった廃仏毀釈という名の仏教弾圧は近代日本を貫いて、維新いらい約80年間、「神国日本民族は世界一の民族であり、これに仇するものは朝敵として撃破しなければならないという独善的・排他的偏見にみちた神道思想にもとずき、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争を推進した・・
〇維新政府の宗教政策=天皇制絶対主義国家・・明治元年(1968)12月・・祭政一致・神祇官再興・・「神仏判然令」(神仏分離令)・・廃仏毀釈・・廃合寺・・招魂社(靖国神社)創建。
〇維新期鹿児島の宗教政策と真宗の解禁・・●廃仏毀釈・・島津斉彬・・安政5年・・全寺の梵鐘で武器製造を計画・・鹿児島藩の廃寺の状況・・1066ケ寺廃絶・・●神道国教化の諸策・・明治2年・・藩主島津忠義夫人神葬祭・・島津家歴代神号に改変。・・神道教育の推奨・・明治4年‥葬儀,産土神社執行を強要・・●真宗禁止の解禁・・西郷隆盛の真宗禁止解禁論・・明治9年8月・・鹿児島県と宮崎県が合併した時に宮崎県側には真宗禁止令がなかったので混乱を避けるため解禁せざるをえない。
〇維新政府の宗教政策と本願寺教団の動向・・●幕末の排仏思想と真宗・・三教一致論・・神道は幹、儒教・仏教は枝葉 ●本願寺の勤王・・「勤王」の実績・・桂宮造営、御幸橋架橋、御所警護、他
〇親鸞と政治権力・・親鸞「教行信証」化身土の巻(末)・・政治権力により流罪など・・
〇親鸞の神祇不評(神と仏教の相異)・・神=日本民俗宗教。仏教=世界宗教(キリスト教。イスラム教)・・神=教義なし。仏教=教義あり。・・神=煩悩、欲望を追求。仏教=煩悩、欲望を否定。(仏教と神は全く性質を異にする)
〇質疑・応答・・かくれ念仏に関する質疑などがあり講師が回答されていた(内容は省略)
【閉会】・・次回の講演予定の紹介等があり閉会。
今回の講演を聴いて,明治維新以降の日本でも信仰の自由と政教分離が不十分なため、様々な出来事があったことを知り、信仰の自由と政教分離の重要性を改めて認識することができたので参加して良かったと思っています。
会場の様子を写真で紹介し、資料をスキャンして添付します。
本願寺鹿児島別院玄関
会場入り口
開演前の会場全景
開会あいさつ
講演開始
質問に答える講師
閉会あいさつ
※写真をクリックすると拡大し左上の←をクリックすると戻ります