石垣島・宮古島・種子島などに設置された準天頂衛星システム
(石垣島の淮天頂衛星システム、レーダードーム)#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島 #種子島
宮古島・石垣島・種子島などには、写真に見るように巨大なレドームが設置されている。これは淮天頂衛星システム――日本版のGPS、衛星測位システムと言われており、日本には6箇所設置されている。石垣島、宮古島のほか、久米島、沖縄恩納村、種子島、茨城県常陸太田市だ。つまり、南西諸島にそのほとんどが設置されていることから、これは明らかに自衛隊の島嶼防衛戦、とりわけ、そのミサイル戦争のためのものだと判断できる。このシステムでは、GPSの誤差が現在の 10メートルから、一挙にわずか数十センチにまで精度を高められると言われている。
政府は表向きでは「市場の創出と競争力強化」などの効果があるとしているが、宇宙の安全保障分野に関する利用指針となる「国家安全保障宇宙戦略(日本版NSC」の中では、 「日米同盟は我が国安全保障政策の基軸であり、本年中に予定されている『日米防衛協力のための指針』の見直しに宇宙政策を明確に位置付け、測位衛星(準天頂)、SSA及びMDA等の日米宇宙協力により日米同盟を深化させる。特に、準天頂プログラムについては、米国のGPSとの補完関係の更なる強化を図りつつ、アジア・オセアニア地域の測位政策に主体的な役割を果たす。」(「国家戦略の遂行に向けた宇宙総合戦略」2014 年 8月 26日、自民党政務調査会・宇宙・海洋開発特別委員会)と、その軍事的位置付けが明らかにされている。
(宮古島の淮天頂衛星システム・レーダードーム)
また、以下のような主張もある。
「……準天頂はGPS衛星の補完・補強をするだけでなく、日本列島や朝鮮半島における安全保障活動の支援をすることが期待できる。現在の米軍も自衛隊もGPSの軍事信号に大きく依存しているが、準天頂衛星が加わることで、GPSを受信しにくいビル陰での市街戦や山岳地帯でのゲリラ戦、さらにはミサイル防衛のような精密な測位を必要とする防衛手段の強化に資することができる。」(鈴木一人[北海道大学公共政策大学院准教授]雑誌『WEDGE』7月号・2010年6月 23日)
(ここまでの記事は、拙著『オキナワ島嶼戦争―自衛隊の海峡封鎖作戦』からの引用)
自衛隊と米軍の淮天頂衛星システム利用を報道する読売新聞
そして、遂に本日の読売新聞は、自衛隊による淮天頂衛星システムの活用、日米共同の活用開始を公然と打ち出し始めた。従来、淮天頂衛星システムは、「自動運転技術」などの民間活用だ、と欺瞞を弄していた政府・自衛隊の意図は、これでその軍事利用が明らかとなったのだ。読売は、以下のようにいう。
「海自では現在、敷設艦と潜水艦救難艦の2隻に準天頂衛星の受信機を先行的に設置し、運用を行っている。これを踏まえ、政府は21年度をメドに、いずも型護衛艦など4隻のヘリコプター搭載護衛艦に受信機を設置する方向だ。ほかの護衛艦や潜水艦、航空機、ヘリコプターなどにも順次、受信機を搭載する案もある。」
要するに、海自の全ての艦艇はもちろん、自衛隊の全ての航空機、艦艇、そして各種巡航ミサイル部隊の本格的運用に、この淮天頂衛星システムが運用されるということだ。
石垣島・宮古島・種子島などに設置されたこのシステムが、南西シフト態勢の中での島々に配備される対艦・対空ミサイル部隊の運用の重要な兵器として位置付けられていることも、他言は要しないだろう。
南西シフト態勢による先島―南西諸島の軍事化は、もはや留まるところを知らない。似非軍事評論家などが、南西シフトは「陸自のリストラ対策」などと、反戦運動勢力を、今なお必死に懐柔しようとしている間に、また、マスメディアが報道規制をしている間に、今や急ピッチでこのような東シナ海戦争態勢=「島嶼戦争」=海洋限定戦争態勢が進行しつつあるのだ。これと本格的に対峙するたたかいが求められている。
(種子島の淮天頂衛星システム・レーダードーム)
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中露の脅威を念頭…日本版GPS、海自が活用へ(2019/1/17読売電子版から)
政府は、米国の全地球測位システム(GPS)衛星が機能不全に陥った場合に備え、自衛隊による日本版GPS衛星「準天頂衛星」の活用を本格化する方針を固めた。中国やロシアが衛星への攻撃能力を高める中、GPSの代替機能を確保するためだ。2021年度にも海上自衛隊の護衛艦に導入する。
各国軍の活動では、人工衛星の通信ネットワークが不可欠となっている。海自艦艇も、作戦などに必要な位置情報の把握をGPS衛星に大きく依存しており、「GPS衛星が攻撃されれば、自衛隊の運用がまひする恐れがある」(防衛省幹部)とされる。
日本とアジア・オセアニアの上空を8の字形に周回する準天頂衛星は、日本独自の測位衛星だ。これまでに4基が打ち上げられ、昨年11月に本格的な運用が始まった。23年度頃に7基体制となり、日本周辺では米国のGPSに頼らない測位が可能となる。
海自では現在、敷設艦と潜水艦救難艦の2隻に準天頂衛星の受信機を先行的に設置し、運用を行っている。これを踏まえ、政府は21年度をメドに、いずも型護衛艦など4隻のヘリコプター搭載護衛艦に受信機を設置する方向だ。ほかの護衛艦や潜水艦、航空機、ヘリコプターなどにも順次、受信機を搭載する案もある。
自衛隊と在日米軍が共同で、準天頂衛星を利用できる方法も検討する予定だ。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190116-OYT1T50016.html?from=ytop_ylist
(石垣島の淮天頂衛星システム、レーダードーム)#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島 #種子島
宮古島・石垣島・種子島などには、写真に見るように巨大なレドームが設置されている。これは淮天頂衛星システム――日本版のGPS、衛星測位システムと言われており、日本には6箇所設置されている。石垣島、宮古島のほか、久米島、沖縄恩納村、種子島、茨城県常陸太田市だ。つまり、南西諸島にそのほとんどが設置されていることから、これは明らかに自衛隊の島嶼防衛戦、とりわけ、そのミサイル戦争のためのものだと判断できる。このシステムでは、GPSの誤差が現在の 10メートルから、一挙にわずか数十センチにまで精度を高められると言われている。
政府は表向きでは「市場の創出と競争力強化」などの効果があるとしているが、宇宙の安全保障分野に関する利用指針となる「国家安全保障宇宙戦略(日本版NSC」の中では、 「日米同盟は我が国安全保障政策の基軸であり、本年中に予定されている『日米防衛協力のための指針』の見直しに宇宙政策を明確に位置付け、測位衛星(準天頂)、SSA及びMDA等の日米宇宙協力により日米同盟を深化させる。特に、準天頂プログラムについては、米国のGPSとの補完関係の更なる強化を図りつつ、アジア・オセアニア地域の測位政策に主体的な役割を果たす。」(「国家戦略の遂行に向けた宇宙総合戦略」2014 年 8月 26日、自民党政務調査会・宇宙・海洋開発特別委員会)と、その軍事的位置付けが明らかにされている。
(宮古島の淮天頂衛星システム・レーダードーム)
また、以下のような主張もある。
「……準天頂はGPS衛星の補完・補強をするだけでなく、日本列島や朝鮮半島における安全保障活動の支援をすることが期待できる。現在の米軍も自衛隊もGPSの軍事信号に大きく依存しているが、準天頂衛星が加わることで、GPSを受信しにくいビル陰での市街戦や山岳地帯でのゲリラ戦、さらにはミサイル防衛のような精密な測位を必要とする防衛手段の強化に資することができる。」(鈴木一人[北海道大学公共政策大学院准教授]雑誌『WEDGE』7月号・2010年6月 23日)
(ここまでの記事は、拙著『オキナワ島嶼戦争―自衛隊の海峡封鎖作戦』からの引用)
自衛隊と米軍の淮天頂衛星システム利用を報道する読売新聞
そして、遂に本日の読売新聞は、自衛隊による淮天頂衛星システムの活用、日米共同の活用開始を公然と打ち出し始めた。従来、淮天頂衛星システムは、「自動運転技術」などの民間活用だ、と欺瞞を弄していた政府・自衛隊の意図は、これでその軍事利用が明らかとなったのだ。読売は、以下のようにいう。
「海自では現在、敷設艦と潜水艦救難艦の2隻に準天頂衛星の受信機を先行的に設置し、運用を行っている。これを踏まえ、政府は21年度をメドに、いずも型護衛艦など4隻のヘリコプター搭載護衛艦に受信機を設置する方向だ。ほかの護衛艦や潜水艦、航空機、ヘリコプターなどにも順次、受信機を搭載する案もある。」
要するに、海自の全ての艦艇はもちろん、自衛隊の全ての航空機、艦艇、そして各種巡航ミサイル部隊の本格的運用に、この淮天頂衛星システムが運用されるということだ。
石垣島・宮古島・種子島などに設置されたこのシステムが、南西シフト態勢の中での島々に配備される対艦・対空ミサイル部隊の運用の重要な兵器として位置付けられていることも、他言は要しないだろう。
南西シフト態勢による先島―南西諸島の軍事化は、もはや留まるところを知らない。似非軍事評論家などが、南西シフトは「陸自のリストラ対策」などと、反戦運動勢力を、今なお必死に懐柔しようとしている間に、また、マスメディアが報道規制をしている間に、今や急ピッチでこのような東シナ海戦争態勢=「島嶼戦争」=海洋限定戦争態勢が進行しつつあるのだ。これと本格的に対峙するたたかいが求められている。
(種子島の淮天頂衛星システム・レーダードーム)
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中露の脅威を念頭…日本版GPS、海自が活用へ(2019/1/17読売電子版から)
政府は、米国の全地球測位システム(GPS)衛星が機能不全に陥った場合に備え、自衛隊による日本版GPS衛星「準天頂衛星」の活用を本格化する方針を固めた。中国やロシアが衛星への攻撃能力を高める中、GPSの代替機能を確保するためだ。2021年度にも海上自衛隊の護衛艦に導入する。
各国軍の活動では、人工衛星の通信ネットワークが不可欠となっている。海自艦艇も、作戦などに必要な位置情報の把握をGPS衛星に大きく依存しており、「GPS衛星が攻撃されれば、自衛隊の運用がまひする恐れがある」(防衛省幹部)とされる。
日本とアジア・オセアニアの上空を8の字形に周回する準天頂衛星は、日本独自の測位衛星だ。これまでに4基が打ち上げられ、昨年11月に本格的な運用が始まった。23年度頃に7基体制となり、日本周辺では米国のGPSに頼らない測位が可能となる。
海自では現在、敷設艦と潜水艦救難艦の2隻に準天頂衛星の受信機を先行的に設置し、運用を行っている。これを踏まえ、政府は21年度をメドに、いずも型護衛艦など4隻のヘリコプター搭載護衛艦に受信機を設置する方向だ。ほかの護衛艦や潜水艦、航空機、ヘリコプターなどにも順次、受信機を搭載する案もある。
自衛隊と在日米軍が共同で、準天頂衛星を利用できる方法も検討する予定だ。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190116-OYT1T50016.html?from=ytop_ylist