今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

徳之島の自衛隊誘致運動を批判する――急ピッチで進む南西諸島の軍事化!

2018年11月07日 | 主張
 徳之島の反戦の機運は何処へ行ったのか?

 信じられない事態が起こっている。2010年、全島1・5万人の集会を実現し、普天間からオスプレイの移設候補地を拒んだ徳之島が、自衛隊の誘致運動を行っているというのだ。
 しかも、この誘致運動は、奄美新聞が報じるように2014年から始まり、すでに徳之島の三つの町の町長が先頭になってそれを推し進めているのだ。先島―南西諸島への自衛隊の新基地建設の経験からすると、こういう地元の自衛隊誘致運動は、一般的な「要望」ではない。
 例えば、与那国島では、2007年に自衛隊協力会が誘致運動を開始しており、この誘致を契機にしながら2016年基地開設が完了した。奄美大島や宮古島(→種子島)でも、自衛隊協力会が、強力に自衛隊誘致を推進したのだ。

*自民党国防族が推進「徳之島の自衛隊誘致運動「午前、天城町自衛隊誘致協議会等から要請をお受けしました。同町の大久幸助町長と同町がある徳之島から徳之島町の高岡秀規町長と伊仙町の大久保明町長と島内全ての首長が、関係者と地元の金子代議士と宇都参議院議員と共に来省され、地域からの要請を頂きました」(山本ともひろのツィッター(自民国防部会長)2018年5月30日)


 「薩南諸島」の軍事化と南西シフト態勢

 すでに、このブログで何度も紹介したが、種子島から奄美大島、徳之島、沖永良部島の北琉球ー薩南諸島は、自衛隊の南西シフト態勢の、「機動展開拠点」「事前集積拠点」「上陸訓練・演習拠点」、そしてさらに、「島嶼戦争の出撃拠点」(馬毛島の航空基地化)として、急ピッチで推進されつつある。只今進行中の「鎮西30演習」でも、日米統合演習においても、島々は機動展開拠点としての演習が行われているのだ。
 こういう状況の中、政府・自衛隊は、徳之島の基地化にまで踏み込もうとしているのだ。しかし、この事態は、現地の新聞が報じるだけで、地元でもほとんど知られていない。まして全国では、皆無である。

 この急速に推し進められつつある、先島―南西諸島の軍事化ー要塞化を今、止めなければ、後戻りができない事態になるだろう。
 言うまでもないが、一端、自衛隊の基地が建設されると、次には必ず米軍がやってくる。これは、日米地位協定で明記されているだけでなく、2006年「再編実施のための日米のロードマップ」でも言明されているのである。したがって、徳之島の町長らが、「自衛隊だけの誘致」などと考えているとすれば、まったくの愚かな選択だと言わねばならない(最近発表された、空自築城基地・新田原基地の米軍基地化を見よ)。 


南種子島の海岸から上陸して行軍する水陸機動団

*奄美新聞2014年5月27日
【東京】天城町自衛隊誘致協議会(徳田睦男会長)は27日、天城町、天城町議会とともに防衛省など関係省庁や国会議員らを訪問。「自衛隊誘致に関する要望書」を手渡した。要望は、立地的な利便性、優位性がある天城町に自衛隊を誘致することが国益にかなうものだとし、町にとっては誘致によって人口増が見込めることから、地域活性化へとつなげていきたいとするもの。

具体的には、国が国土防衛上の観点から奄美群島に自衛隊を配置する計画があることに鑑み、「天城等が東シナ海に面し、平土野港(300メートルパース)と徳之島空港(ジェット空港・2千メートル滑走路)を有するほかにない地域的利便性を有しており、用地として併用可能な38町歩(国所有・町が購入予定)の用地が確保できる」と説明。

 「近年、尖閣諸島での領有問題などで緊張が高まる中、東シナ海を航行する巡視船や自衛隊艦船の一時寄港や近海で操業する大型漁船等の燃料・食料・水等の補給支援や避難港としての役割にも貢献可能で、沖縄から鹿児島まで(名瀬商港を除く)東シナ海で有事が起きた場合、中間地点である徳之島空港とリンクした緊急支援体制も構築できる」とし、こうしたことから「自衛隊誘致に積極的に取り組み、国家の安全保持に寄与し、地域活性化に努めたい」と要望した。

 徳之島では、米軍基地誘致反対運動があったが、島民間でも自衛隊ヘリの救急搬送や災害時の救助救難活動、音楽隊の演奏活動など、地域への貢献度を高く評価。また、「徳之島は『長寿子宝の島』といわれているが、過疎化の振興に歯止めが効かない現状。この状況を打開するには、企業誘致に匹敵するような人口対策が必要との認識に立ち、自衛隊誘致を念願している」として理解と配慮を求めた。

 あわせて地図と共に関連施設間の移動所要時間も示し、自衛隊基地として利用可能な土地から平土野港まで車で約15分、徳之島空港まで車で約20分、徳之島空港―平土野間は車で約5分とし、平土野港隣接地は将来的に港湾施設として利用可能な海岸線を有するなど、利便性の高さをアピールした。

 自民党・金子万寿夫衆院議員の案内で武田良太防衛副大臣を訪れた一行は、要望内容を説明。武田副大臣は南西防衛強化、安全保障上、重要な場所だという認識を示し「防衛省だけで進めることはできないが、関係機関と密接な協議を図りながら推進していこうというもの。財政当局などとも話し合い、要望書をしっかり受け止めて検討したい」と語った。
http://65650234b81505ec.lolipop.jp/?QBlog-20140527-3&mode=archives&date=201405





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