社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

東野圭吾『真夏の方程式』

2013-10-06 23:14:24 | 政治

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇跡』に続いて、氏の作品紹介だ。今回はガリレオシリーズつまり物理学者湯川学が登場し、謎解きをする作品だ。この作品も感動物だ。ガリレオシリーズで言えば、直木賞受賞作『容疑者Xの献身』と言う作品があるが、この作品と同じ様に涙をながす事ができる作品ではないだろうか?

と言う事ですぐネットで調べると、映画が2013年6月29日公開となっていた。はて?新聞などの広告で見た気もするが、まあーいいや。と思いながら、やっぱりと思った。そしてまた福山雅治主演で・・・

どんな映画に仕上がっているか大変興味深い。しかし、なぜか氏の作品は殆ど読んでいながら、『秘密』以外は、映画・ドラマとも見た記憶がない。このドラマは何とか見たい気がするが・・・。

氏の作品は最近、まさに完璧と言うぐらいのシナリが展開されている。今回の作品の場合は、最初に事件が発生するが、その犯人はおそらくこの人だろうとは思いながら、どういう展開がされるのだろうか?その謎は?なぜ?と思いながら、最期の方まで、オチと言うか含みをもたせると言うか、とにかく感動できる作品だった。また泣けてしまった。

玻璃ケ浦で伯母の川畑節子一家が経営する旅館「緑岩荘」へ行く電車の中で、小学5年生の柄崎恭平は、DESMEC(海底金属鉱物資源機構)からの依頼で、同じく玻璃ケ浦へ行く湯川と知り合いになり、同じ伯母の旅館に泊まる事になる。伯母の娘、恭平の従弟の川畑成実は、美しい玻璃ケ浦の海を守る為、DESMECの説明会へ参加するがそこで、「緑岩荘」の宿泊客である塚原と会う。

「緑岩荘」に泊まった最初の夜、恭平は、おじの川畑重治にさそわれて、一緒に花火をした。この時から宿泊客の塚原が行方不明になり、翌日海岸の堤防の下に死体で発見された。塚原は、定年退職した警視庁の元刑事だった。

彼はなぜ、玻璃ケ浦に来たのか?なぜ「緑岩荘」に泊まったのか?なぜDESMEC(海底金属鉱物資源機構)の説明会に参加したのか?

彼は、DESMEC(海底金属鉱物資源機構)の説明会の前に、東玻璃ケ浦に寄って、そこで殺人犯仙波秀俊の家を見ていたらしい。16年前の殺人罪で起訴され、懲役8年の実刑を受けた仙波。その被害者は元ホステスのミヤケノブコ・・・・

湯川は、恭平と花火の話をする中で、警察が、CO中毒の火元確認と、その検証を始めた事から、事件の真相に気づく。塚原が死んだのは事故ではなく、殺人だと・・・

余りにもせつない。しかし希望を持たせる未来。湯川シリーズは、犯人を逮捕するのが目的ではない。事実を明らかにする事。そう逮捕するのが結論ではない。

必死に、玻璃ケ浦の海を守ろうとする成実。家族を守ろうとする重治。先がない中で死ぬまで真実を隠そうとする仙波。そして過去が明らかになる。そして事件の真相も。しかしそれは、あくまで推測(推理)でしかない。

湯川が、別れる恭平にかけた言葉

「今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君は一人ぼっりじゃない」

が、救いの言葉だ。この言葉が恭平の未来を灯すだろう。

 

いずれにしても、氏の作品はできるだけ、定年後の楽しみにとっておきたかったのだが、また待てなかった。まとめて手にしてしまった・・・。

CCF20131005_00001

書籍名:真夏の方程式
著 者:東野圭吾(ひがしのけいご)
発 行:2011年6月6日初版発行
発行者:羽島好之
発行所:株式会社文藝春秋
価 格:1,619円+税

〈ガリレオシリーズ〉
待望の最新長編

その夏、少年が出会ったのは、〈博士〉だったーーー
君は科学の楽しさを
知らない。この世は謎に
満ちている。
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だったという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやってきたのか…。

これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とはーーー。

最新の画像もっと見る