私が投資している投資信託の一つに、「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」と言う商品がある。この商品は、野村證券(ネット&コール)の買付金額上位ランキングで3位だ。従って、相当な人気商品であり、多くの方が購入していると思われる。
この商品を多くの人が選んだ理由は、おそらく毎月分配型と言う事と、その分配率の高さにあると予想できる。
さて、この商品の基準価格だが、2013年5月15日の9,577円をピークに下落を続け、間近の2013年6月21日には、6,459円まで落ちた。何と3,118円32.6%)の下落だ。下落と言うより暴落だろう。
一番世間の投資熱が加熱していた5月に、マスコミや証券会社等から進められて、この商品を初めて購入した方は今どうされただろうか?或いはどう思われているだろうか?証券会社の営業は、ブラジル関連の投資に関しては、ワールドカップやオリンピックまでは大丈夫と言っていたのに・・・株に関しても同様だが、5月23日直前に購入された方も今はどうされているだろうか?
単純に計算して、32.6%も基準価格が下落すると、例えば、100万円投資したとすると、32.6万円を失った事になる。その間分配金は10,000口で140円、
100万円の投資なら1,044,417口なので、14,628円を5月と6月の2ヶ月で受け取っている計算になる。しかしその評価損が、32.6万円となっているのを見ると流石にゾッとするだろう。
知人の投資のセミプロは、▲10%或いは▲15%で損切りするのが普通だと言うだろう。しかし初めての方でこれができるだろうか?そう言う私も、実はできなかった。最も、私の場合は、これらの投資信託に関して言えば、損切りする気がなかったからだ。
しかし初めて試した、「野村金先物投信 豪ドルコース 毎月分配型」は、完全に失敗した。そして、同じように急激に下落する中、15%の時に解約する気だったが、ずるずる引き伸ばして、今では30%以上の損失を生んでいる。こちらはどうして良いか今では判断に迷うが、全く予測ができない。つまり、私の様なある程度投資を経験してその方針を明確にした者でも、30%の下落と言うのは大変な恐怖だ。初めての方はどうだろうか?
おそらく大半の方は損切りが出来ずに、放って置かれているのではないだろうか?そして大半の方が後悔されていると思う。うまい話に乗らなければよかったと。やはり投資するべきではなかったと。マスコミや証券会社或いは銀行の話に乗らなければよかったと。雑誌等が騒ぐからだと・・・。安愚楽牧場と同じだったと・・・。
いや大半の方は、私みたいに、基準価格をチェックしていないかも知れない。毎月一回送られてくる、分配金報告書を見て初めて驚かれているだろうか?或いは現時点の口座残高等で・・・。
さて、私が失敗したと思っている商品はこの「野村金先物投信 豪ドルコース 毎月分配型」だけだ。他の投資信託と言うか大半の投資信託の基準価格は、実は、上記の「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」と同じく、概ね20%~35%の下落となっている。
その損失をパーセットではなく、実際の額で考えると流石に心臓に悪い。おそらくマトモな神経では耐えられない。
後輩の課長と最近良く投資の話をする。彼は401Kの確定拠出金での運用が大部分だが、必死に損をなくそうと努力しているようだ。昨年までの投資信託の下落中でも、債権や海外、国内とその時と場合で商品を変えていた。この5月も一旦儲けた分を、定期に振替たり、マメに対策していた。その彼曰く、先日の日本株投信(インデック)への振替(約定)が一日ずれただけで、30万円が飛んだと言っていた。必死に対応しようとしても、全く予測できないと。
1日で30万が飛ぶ感覚は、私も最近経験しているが、流石に怖い。汗水苦労して稼いだ給料の1ヶ月分が飛ぶイメージだ。桁が違えば、30%の損で給料の1年分が飛ぶイメージだ。やはり投資は博打なのだろうか?後輩の課長が良く私に言うようになった。「ダメですよ!そんな危険な事をしては!いつか痛い目に会いますよ!」と。
流石に言えない。「君が予想しているより遥かに大きな額を投資していると」は。そう私の感覚も今では少し狂っているのかも知れない。
いやそうではない。元々貧乏性だし、ケチだ。多少お金があっても、余分な買い物はしない。ブランド品など当家では買った事がない。ダイヤや金などの高価な物も買った事がない。いやトルコ旅行で久しぶりに奥様へ白金の指輪をプレゼントしたぐらいだ。
2006年から投資を始めた。そうかなり試した。そして損をする事で学習した。リーマン・ショックや東日本大震災や欧州危機等の円高が更に教訓になった。そして投資の方針を決定した。がその決定。高分配率の投資信託への集中投資を実施した月が4月から5月だっただけに過ぎない。
この時期が一番円安だった時で、基準価格がピークだった時に。時期が悪かったが、投資方針は変わっていない。確実にとは言えないが、いずれそのリスクが訪れると予想はしていたが、早くもそのリスクが急に訪れただけの話だ。
そして、今の状況が変化した時にまた更なる学習となる。つまり私の投資方針が間違っていなかったと言う事が確信へと変わりそうだ。
「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」の間近を見ると、2013年6月21日 6,459円を底に初めて反転している。これはブラジルレアルの為替推移とほぼ同じだ。今後まだ予断は許さないが、レアルに対して、これで安定するか或いは円安へ以降すれば、安心だ。当分心配する必要もないだろう。投資したお金を今の所急に使う予定は無いため、そのまま放っておくだけだ。実際は毎月の分配金を更に手動で再投資するだけだ。今の安い時に・・・
2013年の基準価額(10,000口当たり) 6月27日 6,901 |