松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ』シリーズの第5作目となる。実際はⅠとⅡは続き物なので、物語としては第4作目が正しい。そして、この4作目の最後には、続きが予告されている。松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿Ⅵ万能贋作者あらわる!?』は既に昨年10月に発売されている。またこれも楽しみだ。
さてこのシリーズの中では、久しぶりに面白かった。おそらく毎回思う事だが、これのシリーズはあっという間に読めてしまう。通勤電車の往復の2日で、読めた。ほんとにあっという間に。
今回は、登場人物が今までと異なる。つまり第一作目『万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ、Ⅱ』の次に『万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ、Ⅳ』を飛ばして今回のⅤを読むと理解が早いだろう。
万能鑑定士Q凛田莉子は鑑定の知識をより豊富にする為にフランスに行く事を決めていたが、それを両親から知らされた高校時代の喜屋武先生は、莉子を心配して、その旅行に無理やり同行する事にした。そしてフランスで宿泊する所は、喜屋武先生のやはり教え子つまり莉子の同級生の楚辺のアパートだった。楚辺は高校卒業と同時にフランスに料理の修業に来ており、フランスの老舗高級レストラン「ベランジェール」でコック見習いとして働いていた。このベランジェールはフォアグラ専門レストランだった。
そして、楚辺が莉子達をベランジェールに招待した夜、事件が起こる。このフォアグラを食べた客が次々と苦しんで倒れ出したのだ。パリの女性警部ジュリエンヌ・バゼーヌ達は、このレストラン「ベランジェール」の店員達と、フォアグラの仕入れ先のバベット精肉とコタヴォ精肉を調べる事にした。
さて、この三つで主に登場する人物を書いておくと
<ベランジェール>
シモン・カヴェニェック:総料理長
イヴォン・ダングルベール:ベテランコック
<バベット精肉>
ヤニク・クストー:フォアグラ製造工場の6台目工場長。娘にこのフォアグラの工場をついでもらいたがっている。そして楚辺を娘にけしかけたいた。
アンジェリーク・クストー:ヤニク・クストーの一人娘。ずっと放浪していたが、最近帰って来て、フォアグラの工場で働く様になった。
<コタヴォ精肉>
ヴァランタン・コタヴォ:コタヴォ精肉の経営者
と何と5人しかいない。と言う事で、この5人の中に犯人がいると言う事になる。この犯人像がこれまた私にはかなり理解できないが、理解できないから面白いのかも知れない。
また次回作に期待する事にしよう。
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