社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

今の円高は完全に想定外

2011-11-02 07:11:31 | 会社の仕事

当社を統括するべき親会社の管理部門。統括できる程能力のある方がいるかは別にして、その部門の主力事業の5カ年計画の元は、実は私が東京の単身赴任時代に作成した。当時の上司と何年もかけて検討した結果だった。世界市場のシェア目標、そして販売台数、売価、為替レート、原価、粗利、経費、投資、そして売上高利益率から試算した。その戦略の一番の目標は、世界市場でのシェアNo.1だった。競合の動向やニーズに合う商品開発計画と顧客攻略戦略を全世界で展開する事を計画していた。当然それに合う体制も経費ミニマムで独自に考えていた。

2006年当時の為替レートは1ドル=115円、目標とした為替レートは1ドル=100円を置いた。つまり為替レートが1ドル=100円でも利益がでる構造を考えていた事になる。販売台数は2006年当時の約2倍近くを2010年で達成する計画だった。結果は、2006年をMAXとして、以降これを超える事は今の所できていない。

それはさておき、私も当時の上司もその後、この事業では当時の立場を外れ、全く新しい体制(大組織的推進体制)で推進された。最近この事業のキーとなったコストダウンの為に中国生産子会社設立の条件を知る事になり、流石に唖然となった。この中国生産子会社はもちろんコストダウンだけが目的ではなかったが。上記で設定した目標数値が殆どそのまま使われていたからだ。私が休職中の1年で、劇的な変化と事業環境が相当厳しくなっていたにも関わらず。

その後の結果に付いては、仕方のない事だったと言うことになるのだろうか?環境変化に対応して、結果が予想できなかったのは、問題かも知れない。そして、その後も不可能な事を不可能ではないとそして頑張りますと言い続けた事が。そう2007年から4年間、一度も赤字を脱却する事ができないまま。そして今季も、まだ頑張りますと・・・。既に今年の結果も見えているのに・・・。いつまで嘘をつくのだろう・・・。

さて、この主力事業は殆どがドルでの販売だった。もし同じ販売台数で同じ売価だったとして為替が115円から75円に円高になった事で、2006年を100億円とすると約65億に単純に減った事になる。つまり為替だけで35%粗利ベースで悪化した事になる。想定した為替レートが100円の場合単純に約87億円、つまり△13億は吸収するはずだったが、為替レートが75円と円高となった事で、更に△22億の悪化となっている。これではいくら何でも吸収するのは不可能だろう。

最近の円高で、輸出型産業の海外移転の話が毎日の如く、報じられている。現実に身近で厳しい事業環境がこの円高の意味を表している。言いたいのは、為替の変動が事業に与える影響は測り知れない。

誰もが2006年当初、為替が1ドル=80円以下などを想定はしていなかった。それに対して誰が責任をとれるだろうか?そう今の事態は何処かの言葉ではないが、「今の為替(円高)は想定外」と言わざるを得ないだろう。

しかし、それでも企業のトップや経営層は、この想定外の中でも答えを出していかざるを得ない。それが民間企業と官公庁の違いだろう。そうでなければ企業が存続できないからだ。想定外の環境で事業を継続しなければならない部門を任されたトップは、大変な能力と言うか判断力が求められるが、それは場合に寄っては痛みを伴っても決断しなければならない。

それは場合によってはリストラと言う形になるかも知れないが、それでも不可能な事を、頑張ります的精神論では、うまく行く訳がない。いや会社のトップもそれを十分認識した上で、それでもがんばらせているのかも知れないが・・・。

どうしようもない今の円高。これは完全に想定外だ。と企業も国もそう言うしかない。そして生きる為には、海外に出て行かざるを得ない。そして国内産業が更に空洞化する。それも想定外だとなるのだろうか?


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