ふかふか と もふもふ と むくむく・・・

新しく家族になった美しい兄と妹猫。妹分が加わり3匹になりました。破壊力も倍増しています。微妙な同居生活は果たして・・・

真夏の視線

2011-08-03 02:35:08 | 猫との生活
今日も午前中から、うだるような暑さだった。
朝から鳴き続けるせみの声は、ずっと聞いていると気が遠くなりそうだ。

今年は、大地震の影響で、せみの鳴かない地域もあるらしいと、インターネットで話題になっているようだが、大阪のせみは、今日も朝から鳴き続けている。

せみの鳴き声は、なつかしい記憶を呼びおこす呪文のようだ。
聞き続けていると、小学校のころの夏休みの思い出が、ぼんやりと浮かんでくる。
ラジオ体操の歌声や、夕方、水をまく母の声がよみがえる。
あのころは、うんざりするほど一日が長かったような気がする。
それに比べて、最近はあっという間に一週間が過ぎていく。


騒音のようなせみの声は、聞き続けているとだんだん、何も聞こえていないような錯覚にも、おちいる。

ああ、水をまいたあとの、地面の匂いって、こんな感じだったなぁ。

音の記憶と、匂いの記憶が交差する。
不思議と、記憶の鎖は、パズルのように思いがけないもの同士を、つないでいるようだ。
普段、思い出しもしない、そんな風景に、そっとため息をついてみる。


扇風機の風は生暖かく、うなじを汗が伝う。
長い髪をアップにしていても、後れ毛が汗に絡まる。


 暑いなぁ、でも、一人で午前中からクーラーかけるのって、どうして気がとがめるんだろう。


世間は、省エネ・節電が声高に叫ばれている。
電力が不足する日が来るなんて、誰が想像出来ただろう。
スイッチを押せば、リモコンを操作さえすれば、何でも出来るのが当たり前の世の中に、私たちはすっかりなれてしまっていたのだから。

いつの間に、こんな風になってしまったのだろう。


夏休みの午後は、昼寝の時間だった。
居間の電気を消し、窓や玄関を開け放して、畳の上に母や妹と転がる。
枕がわりに、二つに折った座布団が、首にざらざらと当たっている。
そういえば母は、季節が変われば、座布団のカバーを掛け換えていた。
夏用の麻のシャリシャリした座布団カバーの感触が、子供の私には不思議だった。

扇風機が時々カチッと音を立てて首を振り、母がゆっくりと団扇を扇いでいた。
昼寝の出来ない私は、いつもぼんやり目を開けて、腹の上のタオルケットを引っ張ったり、ぬるい風に揺れる蛍光灯のひもを眺めたりしていた。

あの時も、せみの声がしていた。

真昼の暑い時間は、せみも鳴くのを止める。
夕方、少し風が出てきたころから、また、せみは鳴き始めるのだ。
せみの声がするころには、昼寝の時間も終わり、また、夏の一日の続きが始まるのだった。

あのころの時間は、本当にゆっくり流れていたような気がする。



思い出して、床に転がってみる。
椅子とテーブルの生活になって、床は、転がる場所ではなくなってしまった。
だが、案外、悪い感じはしない。
フローリングに敷かれた夏用のマットの感触が、少しだけ畳に似ていた。


 あっついなぁ。


そう思って寝返りを打った時だった。



 ・・・誰?


突き刺すような、視線を感じる。


 誰なの?



家人は、出かけたはずだ。
この家には、今は、一人のはずだからと、油断していた私は、緊張感に包まれた。

どこからの視線なんだろう。
寝転がった姿勢からは、見渡せる範囲が思った以上に少ない。



 だが、

 間違いない。


 誰かが、



 私を、





 見ている。



冷たい汗が、背中を伝った。

こういうときに、動くべきか、じっとしているべきか。
判断がつかない。
少なくとも、床に転がっているのは、あまりにも不利だ。

だが、動くきっかけが見つからない。


息の詰まるような緊張感に、心臓がドキドキと脈打つ。



 どこ、どこから来るの?





・・・う~ん、やっぱりサスペンス作家は、無理みたい。

話が、まとまらないや。 ← 途中放棄の言い訳(笑)



と言うことで、鋭い視線をお届け。


 じ~。。。



  じとぉ~。。。



   じぃぃぃぃ。。。。



    注目。。。。。





一人で家にいると、ストーカーされます。


二匹に。


  う、うれしいんだけどね。。。


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