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涙するのは疲れだけか?

2021-10-24 17:28:08 | Weblog
夜勤明け
家に帰ってから5時間寝た。

今回の夜勤は ほとんど寝られなかったので
目にダメージが大きかったらしく
朝から涙が止まらない。

こうしてPCの画面を見ながら
ときどき涙を拭わなければならない。
きっと目を保護しているんだな。

今は夜勤もあり、深夜の作業もあるが
もう目を酷使したくない。
明るくなったら起きて暗くなったら寝る習慣を
早く実現したい。


昨日は利用者さんの一人が
お気に入りのアイドルグループが載っている
他人の雑誌を破いてしまう行為が有り
他人の物でも欲しい物は強引に奪い取る行為を
知的障害があるとはいえ、驚愕の事実として受け止めた。

毎日、彼ら彼女らを笑わせて
せめて楽しく過ごしていただきたいと
相手の気持ちにより添えるようにしているが
時々こういう事態に遭遇する度に
施設で働いているんだなと実感する事がある。

働く前は異世界の凶暴な方々というイメージしかなかったが
今はもう普通の暮らしの普通の光景になっている。
どの方も表現がストレートで
回りくどい言い回しや比喩などが苦手。
会話を成り立たせるには、それなりの苦労を感じるが
その殆どは、一般社会で培われてしまった
社交辞令という無駄な気遣いのように思えてしまう。


とにかく昨晩は、問題行動と呼ばれる行為が頻発した。
この事態を引き起こす原因に確かな物は無いが
いわゆる集団ヒステリーとも呼べる
群集心理が有るように思え、それは某かの
環境に左右されているように思う。

「今日は空気がトゲトゲしているな」
そう思える時が有るからだ。
それは一般社会にも有ることで
誰かが夫婦げんかなどでイライラしたまま出社すると
その空気を汲み取って廻りもイライラピリピリムードになる。

それが施設だと、感情をストレートに出すので
その怒りが伝搬してしまい
トゲトゲした空気になるのだろうと思っている。


昨晩は、いつも不平不満を言っている利用者さんが
態度を硬化させ、若い支援員に対して暴言を吐きまくったらしい。
それに反発した他の利用者さんたちが
一人を攻撃することで その場は騒然とし
あちこちで不安定の徴候を見せる利用者さんが出てしまう。

支援員が注意することで
一端は治まった様に見えるが
実際には不完全燃焼をしていた状態が
いつまた再燃するか解らない不安を抱えながら過ごしている。
その環境の中で他人の雑誌を破って奪う行為が有った。

不可解で衝撃的な態度は
このように多くの過程を経て実現された
いわば自己の表現の手段だろうと推測する。
彼ら彼女らなりの原因があり、マイナス要素を消し去るために
行っている行為なのだ。

だが社会は一般論を用いて、それらを最初から否定してしまう。
私はそれをマジョリティーの怠慢だと判断する。
競争原理が働く一般社会なら、それをしてイニシアチブが取れる
材料とするだろうか?
とにかくそうして彼ら彼女らは異世界の住人であり
一般より劣る者だと判断してしまうことが多いのではないだろうか?

でも私は今はそれは違うと思っている。
確かに、ある判定では知的障害者となって
我々より劣るとされる部分が有るかもしれない
だがそれはその人のほんの一部の資質であり
我々が全てを否定してしまいがちなのに対して
他の殆どは とてもふくよかで豊かな感情で埋められている。

ただしこの事実は、相手を排除する競争原理の中では
見出せないだろう。
問題行動の深層に踏み込み、相手の態度を受け入れ
興味を持って探り続けなければならない。
その意味合いを社会は求めていない。

でも、この相手の価値観を理解する行為は
自分の価値観をも広げてくれる何よりの宝物だと感じる。
それをしたからといって褒められるわけでもなく
お金持ちになるわけでもなく、かえって嫌われるケースも有ると思うが
私は今の仕事に就かなければ、私が思っているその恩恵を被ることは
出来なかったであろうと思う。

人の深層心理は深い。
でも共通する部分も多い。
私は他人の雑誌を破って奪う行為はしないけど
それをしたい想いは同じように共有しているのかも知れない。

雑誌を破かれた方に対し
謝罪をしてテープで丁寧に修復して返した。
それは私が行いたいけど行えなかったこと。
それを行ってしまった利用者さんと
たいして変わらない気持ちが有ったことに対する
謝罪のような物だったに違いない。

彼ら彼女らに対しての理解が進んで
もっとふくよかな社会が実現されますよう
寝不足の思考を巡らせています。