お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

シュタークスミス博士の大発明 11 ―健康の代償―

2008年03月11日 | シュタークスミス博士(一話完結連載中)
「大発明だ!」シュタークスミス博士は叫んだ。「これであらゆる病気はなくなるぞ」
 博士が発明したものは、飲めばどんな病気に対しても免疫のできる水薬だ。今までに発生している病気に対してはもちろん、これから発生するかもしれない病気に対しても、様々なデータから予測を立てて対応できている。
「まさに薬の中の薬だ。さっそく飲んでみよう」
 博士は一息に飲み込んだ。思わず顔をしかめる。
「なんと言う苦さだろう! “良薬は口に苦し”のことわざ通りだな! これは効きそうだぞ!」
 薬を飲んでから博士の生活習慣が変わり始めた。
 寝たいときに寝て、食べたい時に食べていた博士だったが、朝は六時に起き、夜は八時に寝るようになり、朝昼晩しっかり食事をするようになった。
「これがこの薬の副作用か。確かに規則正しい睡眠と食事は健康に秘訣だが・・・」
 博士は大あくびをした。時計を見ると夜の八時近くになっていた。
「忙しい現代人には向かないかな。やれやれ、多少は不健康じゃないと、今はやっていけないって事か・・・」

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