お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

大怪獣オチラ 対 宇宙怪獣モヘラ  壱

2007年11月11日 | オチラ 対 モヘラ(全27話完結)
 その宇宙を彷徨う物体を最初に確認したのは、アメリカ合衆国のアマチュア天文研究家キース・ウェルダムだった。
 年末の押し迫った頃、ウェルダムは原野の真ん中に建てた自前の天体観測所で、何時もの様に深夜の空を観察中、南の空に小型の彗星を確認した。軌道を計算してみると、このままでは地球に衝突する事が判明した。ウェルダムはNASAに連絡をした。
 NASAは直ちに小型彗星と軌道を確認し、ウェルダムの計算が誤っていない事を認めた。地球軌道上の人工衛星を使い、その分析を急いだ。その結果、意外な事実が判明した。
 その彗星は生命体の持つ諸要素を備えている、つまり、生きているのであった。
 NASAは大統領ジョージ・スミッソンに報告した。大統領は臨時会議を開き、軍関係者の意見を聞いた。結論は「この程度の大きさであれば、大気圏突入によって焼失する可能性も高い。もし、大気圏を通過できても生命を維持できないほどの傷害を受ける。さらに、地表に衝突したとしてもその被害は極小規模なものである。であるから、静観する事が得策である」であった。大統領も迂闊に発表し世界をパニックに陥れることは避けたいとの思いから同意した。
 ただし、このままの軌道であれば衝突するであろうロシア連邦北端のタイミル半島への注意を促す為に、アレクセイ・アレクサンドルロシア大統領へこの事実を伝え、万一に備え米露両国によって観察を続ける事とした。
 計算では大気圏突入は二日後、地球上では新年を迎える日であった。しかし、ここに思いもかけないことが起こってしまった。
 まるで自分の意思で行ったように小型彗星が軌道を変えたのだ。大至急に衝突場所が計算しなおされた。新たに計算で確認された衝突場所は、ニューヨークだった。

 
次回「大怪獣オチラ対宇宙怪獣モヘラ 弐」の仰天の展開を待て!



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