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暗殺教室 感想。突飛な設定だけではなく、教育論も心憎い佳作

【ネタバレ】
2015年冬から春のアニメの感想の続きです。

◎「暗殺教室」(全22話)

総合評価4.5点(5点満点)

暗殺教室イベント前に書けなかったのは残念ですが、楽しかったです。2016年に2期もあるそうで、楽しみです(→イベントの感想はこれ。「暗殺教室スペシャルイベント 祭りの時間 感想」)。

殺せんせー(cv福山潤)、自衛官で教師の烏間惟臣(cv杉田智和)、暗殺者で教師のイリーナ・イェラビッチ(cv伊藤静)、自衛官で先生の鷹岡明(cv三宅健太)、椚ヶ丘学園理事長の浅野學峯(cv速水奨)のほか、
3年E組(ENDのE組):潮田渚(cv渕上舞)、赤羽業(あかばね かるま)(cv岡本信彦)、茅野カエデ(cv洲崎綾)、寺坂竜馬(cv木村昴)、磯貝悠馬(cv逢坂良太)、奥田愛美(cv矢作紗友里)、神崎有希子(cv佐藤聡美)、倉橋陽菜乃(cv金元寿子)、中村莉桜(cv沼倉愛美)、速水凛香(cv河原木志穂)、不破優月(cv植田佳奈)、矢田桃花(cv諏訪彩花)、律(cv藤田咲)、堀部イトナ(cv緒方恵美)など。






○ 生まれも育ちも地球なのに人工的に作られた、タコ型宇宙人のような殺せんせーはとても強くてマッハ20で移動でき、月を簡単に破壊して三日月にし、次は地球を破壊すると宣言。
中学の落ちこぼれ、分校に隔離されているE組の生徒相手に教師をするので、その1年の間に生徒が殺せんせーを殺せれば地球は助かり、ダメなら地球は滅ぶと(賞金100億円、他人に漏らしてはいけない。)。

回想シーンからして、人間の恋人らしき女性(cv川澄綾子)に良い先生になれると言われたことが先生になった理由のようですが。

人間には少し痛いだけですが殺せんせーを倒せるBB弾のような弾の銃で生徒がしょっちゅう撃っていることを除けば、のどかに先生と生徒をしている感じ。
殺せんせーは教え方がうまく、叱るべきは生徒を叱っていますから、結構気に入っている生徒もいるようですし。


落ちこぼれにやる気を出させて自信を持たせ、一流高校に合格させるという新手の受験アニメになりそうな予感というのは裏切られてほしいなあ、と思いながら見ていたら、2015年2月7日の朝日新聞夕刊に原作漫画の松井優征さんのインタビューが載っていました。「これは理想の教師を描いた教育マンガ」、「この顔なら殺すことすらコメディーになる。」、殺せんせーのバックボーンについて「連載で、これからその核心に踏み込む。なめくさったキャラというだけでは薄っぺらい話になる。重厚な人間ドラマをやります。」ともあり、終わってみればそんな感じでした。

教え方が上手くて生徒のやる気を引き出せば勉強はできるようになるし自信もついて自分の人生を歩んでいけるというありふれた教育アニメな面はありますが、そのやる気の引き出し方やその演出もなかなか楽しく、突飛な設定とギャグやコメディが楽しいアニメでした。

あとはオマケ。

○ 9話。律こと自律思考固定砲台が登場。教室にいるのは箱じゃねえかよ!とツッコミを入れ、でもロボット声なら藤田咲さんだよね、と思ってロボット声を楽しんでいたら、殺せんせーに改造されて人間の女子らしい可愛い言動に、さらに自律思考して必要な部分をリセットされないようにして製作者(マスター)によるリセットを逃れるとか、でも可愛い言動のままとか、そういう方向の自律思考かよ!、と。

ツッコミがいのある楽しい回でした。

○ 11話。殺せんせーと同じ触手を持つ改造人間で、弟に相当するイトナが登場。これまでで一番追いつめられた殺せんせー。冷めた殺人狂みたいなこの役に緒方さんというのも心憎いです。

これからすると、殺せんせーは人工的に作られたから(たぶん、兵器として。)、それに怒ってこんなことをしているのかも知れませんが(あるいは政府とかに恋人らしき女性を殺されたから。)。

○ 13話。暴力と恐怖で生徒を支配しようとする鷹岡が体育教師に。烏丸をライバル視していることもあって、教え子が殺せんせーを倒せば自分が評価されるという下心。

鷹岡と生徒の1対1の本物のナイフでの対決を提案され、しぶしぶ受けることにした烏丸。渚が勝ちましたが、渚は暗殺者として有能だそうで。

「教師として一番嬉しい瞬間は、迷いながら自分が与えた教えに、生徒がはっきり答えを出してくれた時です。そして烏丸先生、生徒がはっきり出した答えには、先生もはっきり答えなくてはなりませんね。」、「迷わぬ教師などいない。本当に自分はベストの答えを教えているのか、内心は散々迷いながら、生徒の前では毅然として教えなくてはいけない。決して迷いを悟られぬよう、堂々とね。だからこそ格好良いんです、先生って職業は。」と烏丸に言った殺せんせーというのは、ベタな教育論ですが、伝わりやすい演出です。

このアニメは、ベタでクサイ教育論を伝わりやすい見せ方にするのが上手いです。


○ 14話。寺坂、小学校では怒鳴って優位に立てていたのに、勉強が第一のこの中学では通用せず、イトナの親代わりのシロ(cv竹内良太)にも操られて図らずもクラスメイトを川に流して溺れそうにさせるとか、情けない。
ビジョンがないからということで、ようやくそれを自覚した寺坂は業に操られることを希望し、見事操られてクラスメイトを取り敢えず引き揚げさせることに成功。

教育論としてもニクイところを突いてきますし、何よりも見ていて楽しいです。


○ 15話。期末テストに向けて勉強。A組で生徒会長で全国模試1位で理事長の浅野學峯(cv速水奨)の息子の浅野学秀(cv宮野真守)がE組に秘密があることに気づき。
主要5科目で1位の少ない方が1つ言うことを聞くことになって、50項目の協定書に同意させることを企むとは、その中に嘘をついてはならないを入れるとは、悪どい。

○ 16話。期末テストとその結果。テスト中に仮想世界のような空間で問題への答えをバトルのように書いて三角だったり花丸だったりという演出が、珍しくはない気はしますが、面白かったです。

3勝2敗でE組の勝ち。家庭科の同点1位の3人も含めて6本の触手を奪った上で殺せんせーと戦えることに。
家庭科も含めるとは、E組もずる賢い。

○ 17話。勝利のお祝いとして、南国リゾート島でバカンス、というか暗殺準備。

18話。綿密な連係プレーだったものの、ほんのわずかのズレと殺せんせーの奥の手中の奥の手、完全防御形態により暗殺失敗。

それはそれとして、致死性の人工ウイルスにより生徒が死にそうで、ワクチンと殺せんせーの交換の要求が。
すんなり交換に向かうのかと思ったら(もちろん、土壇場で何とかする前提。)、ホテルに夜襲をかけてワクチンを奪うとのこと。ワクチンが割れても生徒らの負けですから、リスクが高そうです。

○ 20話。途中、ホテル内を先に進むに当たって、男子の渚が女装。何の違和感も無いくらいに似合っていました(笑)。

○ 最終22話。イロイロあって、ギリギリのところもありましたが、勝利。
犯人は鷹岡だったのですね。完全な逆恨み。渚に土下座で謝らせるなど、人間の器の小ささを存分に発揮。仲間を助けるために淡々と土下座していた渚でも、鷹岡がワクチンを破壊したのには怒り心頭。
クラスメイト、特に寺坂の言葉で正気に戻り、危なかったものの、勝利。

なお、鷹岡に雇われた殺し屋が指示されたウイルスではなく、しばらく具合が悪くなる程度の薬を飲ませただけというのは、プロなのにそれでいいのか、とは思いましたが。


【shin】
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