ルパン三世princess of the breeze~隠された空中都市~感想。善行・善人顔ルパンはダメだけど、カリオストロ風物語はまずまず
2013-11-18 00:30:14
2013年11月15日放送のTVスペシャル第24作。
(いつもだと、数ヶ月もすればスカパー!で再放送するのでは。)
毎年恒例ですが、今年は12月7日(土)に劇場版の「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」が公開なので、ルパン三世のTVスペシャルは無いと思って油断していました。
(12月6日(金)に日本テレビで、2009年のTV版の「ルパン三世VS名探偵コナン」が再放送。)
○ ヨーロッパの小国の財宝、長年の鎖国、プリンセス、王位継承や国の方向を巡っての争い、暗殺部隊、ルパンがミスをしてプリンセスに助けられる、ルパンがプリンセスを助ける、ルパンが支配者の側近の悪行をあばく、その他イロイロ、カリオストロの城(劇場版)と同じ。
飛行船、男女の空賊、空中に浮く地面と財宝、そよ風やプリンセスという題名なんて、ジブリというか宮崎駿さん風。
ルパンが一応は悪人として位置づけられているところはカリオストロと異なっていて良かったですが、善人顔なのはカリオストロと同じでダメです。
物語自体はまずまず。
○ あらすじ。
シャハルタ共和国開国記念パーティーをお宝を載せた飛行船で行い、空賊とルパン三世(cv栗田貫一)が別々に狙う。(峰不二子(cv沢城みゆき)はヘリウムに関する特許(※)を狙っている。(※特許は特許庁のデータで誰でも見られるので、ノウハウのことを言いたいのでしょう。))
少し失敗したルパンが盗んだバッグの中身は赤ちゃんのラーム(cv金田朋子)と空のケース。
クーデターにより共和国となったシャハルタの真の財宝を手に入れるため、ラームを連れて博物館で盗みをし、空賊のユティカ(cv石川由依)をおびき出し、アジトまでつける。
シャハルタの総理のシオン(cv神谷浩史)と、クーデターによりシャハルタで生産されるヘリウムを独占的に扱っている企業のコーシャル(cv楠大典)はラームの救出を銭形警部(cv山寺宏一)に依頼、怪しいと思いつつもルパン逮捕のために仕事はする銭形警部。
空賊は元近衛兵であるなど、反クーデター派。
ルパン達は空賊と協力しつつ、コーシャルの暗殺部隊と戦いつつ、ラームが飲み込んだ水晶を うんち と共に出すのを待ちつつ。
見つけた財宝は大地ごとヘリウム(?)風船で空に浮く。
コーシャルは銭形警部につかまり、国に嫌気がさしてどうにでもなれと思っていたシオンはラーシャ(cv宮本佳那子。実はユティカの双子の妹。)の愛で改心したもののコーシャルに撃たれて死亡。
ユティカは実はクーデターで倒れた王の双子の娘で新たな女王となるという、大団円。
○ ルパンの目がキラキラで可愛い、というか善人顔で、ダメです。赤ちゃんの相手をしているときだけなら表現としてはあり得ると思いますが、それ以外でもキラキラが抑えられているとは言え、キラキラの善人顔でダメです。
下は、赤ん坊をオンブして泥棒をして銭形から逃げているところ。町の人がルパン達を応援している。
ルパンの目がキラキラの善人顔。
ルパンは殺し屋で泥棒なのですから、尤も殺し屋という設定はルパン三世2ndTVシリーズから消えた気がしなくもないですが、そうだとしても人殺しもする泥棒ですから、善人顔はダメです。
私は悪人顔のルパンを見てみたいですが、世間受けしないでしょうからそこまで求めるのは酷かも知れないとは自覚していますが、宮崎駿さんが強く関わった当時のルパン三世のような(特に、2ndTVシリーズの最後の方のジブリ絵の数話、及び、カリオストロの城。)、あるいはそれ以上の善人顔であるこれはダメです。
全体として絵が宮崎駿さん調なのもダメです。悪人のルパンと善人の宮崎さん調は合いません。
◎ そこを除いての物語の感想としては、まずまず。普通に楽しめると言ったところ。
TVスペシャルとしては絵が少し綺麗で少し書き込んでいる気がしますが、以前のTVスペシャルのDVDを持っていないのと(DVDにダビングしたものは画質が今一つなので。)、TVを買い換えたためかも知れないことから、曖昧な記憶ですけれど。
留意点は以下に。
○ 人気作で、ルパン三世としては駄作ですが、映画としては名作の「ルパン三世 カリオストロの城」(宮崎駿監督、1979年公開の劇場版。)のような雰囲気と、半分以上が同じ物語なのは、ルパン三世では初めてではないのでそこは構わないのですが、ただでさえネタ切れ感があるルパン三世シリーズですから、これが出てくるとネタ切れなのだろうということを強く意識させられます(これは、カリオストロよりはコミカル。)。(カリオストロが駄作であるという話はそのうち書きます。)
主題歌も「炎のたからもの」で同じであり、良い歌ですが、そこまで同じにしなくても、とも思います(歌手は別。)。
下はカリオストロのDVD。今はBlu-rayが出ています。(→HMVオンラインへのリンク)
○ ルパンがユティカを追って入ったアジトでカーミラ(cv渡辺明乃)に後ろから殴られて気を失ったところと、お城でシオンに撃たれたところは、いくら間抜けなルパンとは言え、命に関わる大きな間抜けを2つもするというのは、ちょっとミスが大きすぎます。
石川五ェ門(cv浪川大輔)が赤ちゃんを見ていたく気に入ったようで、2度も日本まで行って子供をあやすモノ(でんでん太鼓、金平糖)を買ってきたりは、ニヤリとできる御愛嬌でしょう。
○ 最後のクライマックスの戦いで、次元大介(cv小林清志)が敵を銃で明確に殺すシーンをいくつか入れたのは良かったです。
ルパン達は泥棒であり、基本的に悪人なのですから。
で、ルパンはワインオープナーを盗みましたが(ルパン一世の手帳に記されていたモノ。)、最後で、
「正義の味方の時間は終わりだぜ。俺は泥棒、ルパン三世さ。」
とルパンが次元に言うところは、とって付けた感が満載過ぎですが、そこはカリオストロには無かった点であり、無いよりは良いです。
ルパン達は泥棒であり基本的に悪人なのですから、やっていることも顔も善行で善人なんて、タマには良いですが、そればかりではおかしいでしょ。
【shin】
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